2454 前に進む為のxの問い編 838
サン・ジェルクへと向かう飛空艇を見送った自分達だけど、でもこっちもこれで「終わったー!」というわけじゃない。すぐに僕たちはそこから離れて、それぞれが自身のエリアへと向かう。リア・レーゼにもエリアへと向かえる扉……ゲートがあるからね。
けど、僕の場合は自分で実はゲートをね……つくれる。なので皆さんがリア・レーゼのその場所に向かうのを見送ってそれをだす。これもローレのわがままに付き合った結果……というとなにが役に立つかわからないものだ。
まあ出すというか、コードの紙を近くの地面に置いた。そして最終的に自分でそれを起動する。それによってその紙を中心に魔方陣の様なものが起動した。これでここがゲートになった。けどこれはそこまで汎用性があるわけじゃない。
ゲートには実は番号が振られてるからな。その管理は実は厳密に管理されてる。だからこれって実は結構やばいけど、でも今はそんな事を言ってる場合じゃない。
だってエリアに帰るためのゲートも今やきっと混みあってるだろう。だから僕はここから帰ることを選択した。一応テア・レス・テレスの隊長さんから「先に行ってください」とか言われてたけど、既にこのリア・レーゼへと来たプレイヤーでごった返してるはずだ。
テア・レス・テレスの隊長さんは僕に気を使ってくれたんだろうけど、僕はそれを丁重に辞退した。すると……
「なんで! 会長はきっと待ってますよ!!」
――とか言ってくれた。僕を認めてくれてるんだなこの人……とか思うとありがたかったけど、僕はさきに行くことはしなかった。そしたら彼は何かを察してくれた。皆を引き連れて――
「また、サン・ジェルクで会いましょう」
――といって言ってくれた。ああいう人は付き合いやすいなって思う。なにせこっちに寄り添うってことが自然と出来る人だっだ。察する力が高い人だった。
もっと頭硬い、ただの狂信者なら、きっと無理矢理僕を一緒に連れて行こうとしただろう。それかもっと罵倒してきたりね。でも彼はそんな人ではなかった。大人だった。
僕はゲートでエリアに戻ると、家に入る。掘っ立て小屋……では既になくなった、そこそこいい感じのウッドハウスである。なにせここには住んでる人がいるからね。僕じゃない。
今もその家のベッドではそいつが寝てるだろう。なので起きないように気を付けながら、家でアイテムを補充して再びゲートを開く。もちろん、その行き先はサン・ジェルクだ。