2453 前に進む為のxの問い編 837
「あーはっはっは!! 貴様らの様な野蛮な獣が!! リア・レーゼから出ていけえええ」
そういって光陰局のモブリ達はずんずんと進んでいく。魔法はスキルとは違ってちゃんと詠唱さえすれば発動する。そしてモブリが得意なのは魔法である。なので今の状況とは奇跡的に前に進める条件を奴らは満たしてたのだで。二桁位いるから、彼らはどうやら役割分担をしてる。
何人かが別々の詠唱をしてるみたいだ。でもあれだけ近くで詠唱してたら――
「あれ? なんか何をいったっけ? 言葉が混乱する」
――とかなりそう。だってそうだろう。周囲で同じように詠唱してるんだ。同じ詠唱の奴が固まってるのだろうか? ならまだわかる。けど流石にそこまで準備は出来てないと思う。
やっぱりモブリだから詠唱も得意なのかもしれない。種族的な適正で詠唱がしやすくなるとか? もしかしたら小さい分、口もよく回るとか? 実はそんなことがあるのかも。
最初はそれこそそこそこ上手く行ってた。確か光陰局には僧兵みたいな人達もいたはずだけど、あの中にはいない。だから皆が魔法を主体にしてる訳だけど、LROの魔法は詠唱が絶対に必要だ。
だからこそ、基本的に魔法使いは後衛にならざる得ない。でもあそこの集団には前衛はいない。そこで結界だ。結界で月人の攻撃を受け止めつつ、魔法を詠唱して邪魔な月人達を追い払っている。
けどあんなに暴れてたら……
「うぬぬぬぬ……次から次へと……」
月人が次々にとめどなく結界に張り付きだした。なんとか範囲魔法で一掃しようとしてるが……それをやったとしても……だ。すぐに次の月人がやってくる。いや、そもそも……だ。そもそもどうやら魔法でダメージを追った月人も回復してるぞ。
だからこそ、新たにやってくる月人と、倒したと思った月人が加わって既に結界は大きな月人の塊みたいになってる。
「彼らはもうだめです。今の彼らが月人を引き付けてくれてる間に他の人たちを空港の方へ誘導しましょう! 皆さんこちらです!!」
そんな風にテア・レス・テレスの人がいってくる。確かにそうだな。彼らのおかけで、月人は向こうにいってる。移動するなら今だ。僕は誰彼かまわずに助けたい程にお人好しじゃない。
それにああったら流石に……ね。既に札とかも使い果たしてるし、風をつかむのだってリア・レーゼでは既に難しくなってるんだ。今は本当にギリギリの状態といっていい。ここで下手に戦闘を長引かせたら、他のちゃんと逃げようとして指示に従ってるリア・レーゼの人たちまで犠牲になってしまう。
それはダメだろう。そもそもリア・レーゼにいるNPCの警察の様な? そんな人達だってあれは既に見捨ててる。こんな状況だ。権力だけを振りかざしてる奴なんてのは面倒だけなんだろう。
これまではリア・レーゼにいる限り、その体制が続く限り彼らは偉ぶれたかもしれない。けど……残念なことにリア・レーゼは崩壊してしまったんだ。彼らの権力にはなんの意味もない。
「おい! 早く貴様らも手を貸せ!!」
一瞬またまた魔法で月人がはがれたタイミングで光陰局のモブリ達が僕たちに向かってそういう。でも僕たちは既にここから離れようとしてる。
「おい!! 私たちは世界樹を守護する――」
「我らを! 世界樹を見捨てる気か貴様らああああああああ!」
そんな声が聞こえてたけど、その直後、押し寄せた月人についにはその結界が壊されることに彼らはなった。けどおかげで空港にたどり着くことができた僕たちは、待っててくれてた飛空艇にリア・レーゼの人たちを乗せて、それがサンジェルクへと飛び立つのを見送ったよ。