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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2451 前に進む為のxの問い編 835

「私たちは光陰局の者だぞ!! 先に私たちを行かせろ!」

「そうだ!」

「さっさとここを通せ!!」

「おい! 月人が来たぞ!!」

「早く貴様らあれを倒せ!!」


 イラっとする。こういう奴ら、きっとリアルにもいるんだろうけど……よく再現してると思う。まあけど、唯一救えることがあるとするなら、モブリはこんな奴らでも愛らしい見た目をしてる……ということだ。


 小さくてくりくりとしてチョコチョコ動き回る感じだから、わちゃわちゃと殺到してきて文句を言ってるのもなんとか我慢できる。これがもし、醜いオッサン、オバサンばかりだったらと思うと……きっと耐えられなることは出来なかっただろう。

 光陰局とか言われても……ね。僕は別にモブリじゃないし、そんなモブリの国の行政とかしらないし? けどきっと世界樹の建物に勤めてた奴らなんだろう。だってヒイラギの周りにいた神官たちと同じような格好をしてる。

 白いダボっとした服。そしてそれぞれなんか長い帽子をかぶってる。いやもっと正確に言うと、長さが違う。もしかしたら帽子の長さが偉さを表してるのかもしれない。

 なにせ一番長い帽子をかぶってる奴がなんか一番偉そうだし? とりあえず僕は迫ってくる月人を倒す。周囲にはテア・レス・テレスのメンバーもいて、彼らも月人に対応してる。でも皆さんスキルは使えないし、それに対して月人はいつも以上に活き活きしてる。

 なぜならこっちには世界樹の加護が無くなり、逆に月人にその加護か適用されてるからだ。単純にいって、相手が強くなったと感じるだろう。だからこそ、避難誘導だって大変だし、わざわざNPCの脱出まで手を貸そうなんてプレイヤーが減ったのもそれをやっても何のメリットもなくなったからだろう。


 実際このイベント? でそれぞれの首都を取り戻したとしても、それぞれのプレイヤーに何かがあったのか? というとそれはわかんない。でも少なくとも国を救うとかいう、体験ができただろう。でももうリア・レーゼではそれも期待できなくなった。

 僕たちがやってるのは敗戦処理だ。だからこんな所でいつまでも戦っても何のうまみもない……と考えるプレイヤーが多いのはしょうがないだろう。一応モブリのプレイヤーとかは沢山残ってくれてる。

 きっと思い入れがあるからだろう。それだけじゃなく、やっぱりかかわりが深い誰かがこのリア・レーゼにいるとかいうプレイヤー達は協力して避難誘導をしてくれてる。でも既にプレイヤーと月人の数も逆転されてるかも。

 勝利……というものがすでになく、暗雲たる気持ちで戦い続けないといけない。負けたとしても……はい、おわり! ここまでです!! なんてホイッスルが鳴って戦いが終わる試合じゃない。


 負けたからこそ、辛い光景が迫ってくる。でもこれ以上、辛さを広げないために……残ってる人たちは頑張ってる。それになのにわがままを言ってくる奴らがいるんだから……困ってしまう。

 確かに危険が迫ってるんだから仕方ないのもわかる。NPCはプレイヤーのように復活できる訳じゃない。だから死の重みが違うだろう。でもここでわがままを言って現場を混乱させることが、自身を危険にさらしてるって気づいてほしい物だ。


 まあ僕は……なんも言えないんだけど……

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