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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2445 前に進むためのXの問い編 829


 赤かった世界樹の光が変わっていく。しかも……


「月光が世界樹に……」


 元は全く違う光だったはずだ。けど今はどうだ? さっきまで怒りや悲しさ……それを表したようなそんな光を発してた世界樹。それはきっとヒイラギの感情を示してたはすだ。

 でも今は違う。違ってしまった。そしてその光が変化して月光のようななんか青紫みたいな色にかわった。これって……つまりはそういうことじゃないのか? そんなことを思ってると、ピコンと頭にシステム音が響いた。そして続いて細長い一文が視界にお映る。

 これは絶対に見逃すことが無いように……というシステムの通知だっろう。


【リア・レーゼが月の領域となりました。それに伴って世界樹の恩恵が月にもたらされます。影響は以下のとおりです】


 そんな細長い一文だったが、次に表示されたのは全行数百を超えそうな項目だった。いやいや、世界樹の恩恵多すぎだろ!! と思った。でも考えてみたら、そのくらいあってもおかしくないのかもしれない。リア・レーゼくらいにしか恩恵なんてないのか? とか思ってたけど、これだけでかい木だ。そして名称は世界樹。世界に影響を及ぼしてるから、その名前なんだろう。


 つまりはこれは当然のこと……目についた主な影響はきっとこれだろう。スキルの威力減衰30%常時。スキルのクールタイム増加2%。復活ペナルティ2倍。


 こういうのかつらつらと通知されてるわけだ。流石に今の状況で呑気に読んでる場合じゃない。


(スキルが封じられてたのに、それは解除されるのか?)


 それもちょっと気になった。てかこの影響はきっとここだけじゃなく、プレイヤー全てに在るんじゃないか? スキルが封じられるのはあくまでもここリア・レーゼだけとか? まあどっちにしろとんでもないことだ。更にいうと、僕たちプレイヤー以外にもちゃんと影響出そうな項目ももちろんある。

 なにせ世界樹は大地に豊穣とかをもたらしてるわけだ。その豊穣がなくなると……これからもしかしたら食料品がLRO内で高騰するとかおきるかもしれない。


「あらあら、すごいことになったようだね」


 セツリの奴はまるで他人事みたいに、ヒイラギをなでながらいってる。どうする……てかもうどうすることもできないような……


「ヒイラギ、そっちにつくのか?」


 僕のその言葉に、ヒイラギはちょっと目を背ける。けど、覚悟を決めたのか僕を見てこう言ってくる。


「うん……だってぇ~家族だからぁ~」


 そういうヒイラギは嬉しそうだ。ここで僕が戦いを挑んでどうなる? そう思った。ここで僕がセツリとレシアをボコボコにしたとしよう。やれるかやれないか……じゃなく、ただそうしたってことだ。

 それを想像しても、結局は良い結果にはならない。だってそんなことをして、次にヒイラギがこっちに来るか? といったらこないだろう。だってもう……ヒイラギはセツリとレシアを『家族』と認定してしまった。


 もう遅い。


「まだやる? ううん……まだやる気!!」


 最初は眼の前の僕にだけ言ったセツリ。けど次は違う。このリア・レーゼの街にいる全てのプレイヤーに対してそういった。その声はきっとここに集まったプレイヤー全てに伝わったはずだ。そして皆がこうおもった。


「ここはもう駄目だ……」


 と。

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