表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2454/2701

2442 前に進むためのXの問い編 826

「月のお姫様?」


 女王とかセツリは言ったはずだけど……ヒイラギはお姫様に変換したらしい。まあ実際、どっちでもいいとは思うしね。それにセツリにはお姫様……ってほうが似合う。

 女の子が憧れるお姫様の容姿、そしてその服装……ヒイラギがそういうのも納得しか無い。


「うん、お姫様でもいいよ。まあ私はやりたくてやってるわけじゃないけどね」


 そういって困り眉に頬でポリポリと頬をかくセツリ。その手にも細かな装飾がされた薄手の白い手袋をしてる。二の腕位までの薄いレースのようなそんな手袋だ。手のひら部分には宝石がハマってる。


「お姫様なのに?」


 きっとヒイラギはもったいない……とか思ってるとおもわれる。実際お姫様なんてなろうとおもって成れるものじゃないしね。自称することは誰にでも出来るけど、その立場を持ってる人となると、とても少ないだろう。求めてもなかなか成れるものじゃないし。

 もしもとっても行動力があったとして、だからってお姫様という立場に収まるのは難しいよね。女の子が国を作ったとしても、始祖なら女王だしね。ならばどっかの王族に養子にでもなる必要があるが……王族が一般人から養子なんて取ることは無いだろう。だって血筋とか重要視するイメージが有る。

 だから後からお姫様になる――というのはとても難しい。それらを考えても、勿体ないと思うのもわかる。


「ふふ、私もヒイラギちゃんと一緒だよ」


 そう言ってセツリは腰を落とした。そこに板でもあるのか? というふうに膝を折ったセツリの大きなスカートがボリュームたっぷりにもこもこと広がる。きっとあれは映像だから、月の城でああいう風に膝を折ったってことだと思う。そうやって、セツリはヒイラギの目線と同じにする。


「私と……一緒?」


 コテン、と首をかしげるヒイラギ。それに対してセツリはうなづくよ。


「うん、私達は一緒だよ。だってヒイラギちゃんもその立場に望んでなったの? 星詠みの御子になりたかった?」


 すると、ヒイラギは首を左右にふる。


「わかんない……けどこうなってたの……」

「そうだよね。私もわかんないよ。もう流されてたら、こうなってた。けど私のこの立場も、ヒイラギちゃんのその立場も他の人にしたら、羨ましい立場なんだよ。でも私達はお互いに困ってる。一緒だね」

「そう……かも」


 あっ、やばい――僕はそう思った。そして同時に、こいつ本当にセツリか? とも思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ