2433 前に進むためのXの問い編 817
泥臭い戦いになってしまってる地面の人たち。インベントリは使えずに、更にはここリア・レーゼではスキルだって封じられたしまった。これからやってくるプレイヤー達はここはもう選ばないかもしれない。まあインベントリが使えないから、今のこの状況は外に書き込むことも……よく考えたら今このLROへと来てる人たちってログアウトできないんじゃ?
めっちゃまずい事実に僕は気づいてしまったかもしれない。いや、流石にそれなら、そもそもが運営がログインできないようにするだろう。だって前の事件の時に運営会社は政府とかに怒られた。
LROから出られないとなると、精神の牢獄から出られないような……そんな感じだからね。LROは異世界みたいな? そんな感じだから楽しい場所だけど、けどそれはいつでもこれて、そしていつでも出れるからだ。
気軽というのが大事。どっちかにしか行けないのなら、それは途端に牢獄になる。だって逃げられないからね。そういうのなら、リアルこそ牢獄と言えるかもしれないけど。
けどきっと今でもプレイヤーはLROへと入ってきてる。つまりはログアウト事態はできるんだろう。インベントリが開かないが、緊急手段は多分用意されてるだろうし……そもそもログアウトをできないような効果? を運営側が許可するわけ無い。
今も今とて、新たなプレイヤーがこの地に降り立つ。そして降り立った瞬間から――
「うわ!? これって、よ、予想以上だ」
――そんなことを言って彼は二本の武器を構えた。一つは数十cmの杖。まさにハリー○ッターとかでよくみたあの感じの杖である。そしてもう一方には棒だ。身長と同じくらいのサイズのなんの変哲もない棒。
いや中心の持ちての部分は握りやすく両端よりも細くなってて、布も巻いてある、そういう武器なんだろうとおもわれる棒だった。だから襲いかかって来てる月人へと彼はそっちで対処する。片手の棒をクルクルと振り回してまるでカンフーのような立ち回りで月人のその大きな頭に狙いを定めてぶっ叩いてる。
けどスキルもなく、そして一回りでかい月人達は強靭だった。棒の攻撃力程度では止まらない。彼は吹き飛ばされる。インベントリは……開けない。
「くそ!」
そう言いつつ、彼は「炎よ」の言葉を紡ぐ。すると杖の先から炎が出た。それはこの場所、リア・レーゼでは目立った。なにせ今やここリア・レーゼでは派手なスキルは鳴りを潜めて、泥臭い戦いしかできないからだ。




