2429 前に進むためのXの問い編 813
「ヒイラギ……僕はお前にとっては赤の他人でしか無い。それに良い人なのかはわかんないけど、自分を悪いやつなんて思ったことはない。だから、困ってるなら言ってくれ」
僕は真摯にそういった。なんの飾り気もない言葉。けどそれが誠意だと思った。僕自身が蔑ろにしてしまったから、ヒイラギはこんな事なってしまった。僕がもっとちゃんとヒイラギに向き合ってれば、ヒイラギは世界樹の力をこっちの為に使ってくれてたかもしれない。
いや、そんな打算的なことじゃないな。きっとヒイラギは僕なら……って思ってくれてたはずだ。この立派な御子の御殿で、いい暮らしをしてたはず。でもそこにはきっと温かさはなかった。ヒイラギが求めてた愛はなかったんだろう。
僕にその愛をいきなり求めてた……とは思えない。さすがにそこまでうぬぼれてない。けど、もしかしたら……もしかしたらこの人なら自分をここから助け出してくれるかも? とはきっと思ってくれたはずだ。なのに……僕は……そんなヒイラギを忘れて戦ってしまった。あまつさえ、一回置いていこうと……
それはきっとヒイラギにこうおもわせただろう。
「ああ、この人もそうなんだ……」
「やっぱり私はいらない子なんだ……」
――と。そんなことをおもわせた自分が恥ずかしい。ヒイラギは本当に何も覚えてなくて、ただその身一つで放り出された被害者……は言えないかもしれないが、今のヒイラギからしたら「なんで?」と思うだろう。
実際、これは罰でもあった。ヒイラギ達姉妹はかなり好き勝手にLROに干渉してたからね。でも同時にこれは救いでもあった。本当なら、リセット時に異物として消えてしまうはずだったんだ。
だけど全てを精算することで、まっさらな状態で新たな世界に生誕させた……はずだった。なのに……
「わ……私は……」
レシアに抱きしめられてるけど、その顔はこっちをみてる。ヒイラギはその顔をぐちゃぐちゃにしてる。どうやら今、感情のジェットコースターが起きてるみたいだ。そしてその心の叫びをヒイラギは聞かせてくれた。
「お、お友達がほしい!」