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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2427 前に進むためのXの問い編 811

「ふえーーん」


 そんな風に泣いてるヒイラギ。その姿はまさに子供そのものだ。本当はこらえたいんだろうけど、でも涙はとめどなく溢れて止まってくれない。それがまた嫌で、情けなくて、もっともっと涙は溢れてくる。

 そんな経験は誰にだってあるだろう。子どもの時に一度だって大泣きした経験がない人なんているのだろうか? きっといないだろう。それだけ子どもの精神とは不安定なものだ。


 今まではやっぱりなんだかんだ「あのヒイラギ」と言う感じてみてた。やっぱりどこか落ち着いてて、余裕があって……そんな風に子供ながらに観えてたからだ。自分がリセットしたはずなのに、レシアのせいでやっぱり特別だった姉妹である彼女たちは特別何では? って勝手に思ってた。


 でもそんなことはない。少なくともヒイラギはそうだ。ヒイラギはただの子供。星詠みの巫女という肩書だって彼女にとってはきっとどうでもいいことだ。


「ひいらぎお姉ちゃん!」


 僕の背後からそんなふうにいってガバっとヒイラギに抱きついたのはレシアだった。おい……僕がしようと……いや実際迷ってたよ。だって僕は男だし? 下手に少女に抱きつくとかしたら、通報案件じゃん。もうちょっとそれこそもうちょっとだけヒイラギが小さい年齢に観えたら、まだそこら辺は意識せずにすんだ。

 それこそ保育園とか幼稚園とかに通う年齢だったならね。けど今のヒイラギの見た目的には小学生に上がってる年齢にはみえるからね。低学年か中学年か……そんなところの年齢だろう。


 それに結局は僕は今さっきヒイラギを一度は助けた奴……でしかない。そう僕たちは知り合いでしかない。友達にもきっとまだなってない。だからね……けどそんな壁をレシアはぶち壊して抱きついた。

 そもそもが敵……だったのにそこに「姉妹」という可能性を示してたからできたことだろう。本当にただの敵としかヒイラギが認識してなかったら、抱きついたとしても、「いやああああ!」とかいって拒絶したはずだ。

 だって敵に包容されたって恐怖しか無いだろうからな。けど、ヒイラギは拒絶してない。いや、拒絶しようとはしてた。


「やめて~、やめてよ~。私には姉妹なんて~いないもん~」


 そんな風にないてた。けどレシアはやめない。よりしっかりと抱きしめた。


「やめないよ。ヒイラギ姉は覚えてないだろうけど、私達は姉妹なんだよ。それを私が覚えてる」

「…………本当に?」


 あっ、これやばいやつだ――と僕は察した。けどこの雰囲気の中に入れないってのがある。

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