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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2424 前に進むためのXの問い編 808

 実際、世界樹はヒイラギを渡したくないか……それかそもそもがそれがヒイラギの意思なのかはわかんないが、僕たち目指して攻撃がくる。それはわかりやすい世界樹の葉っぱや枝を使った攻撃……なんてものじゃなかった。

 ヒイラギを助けるために世界樹はその体を使ってる。そもそもが見上げるほどに……というか世界を飛び出すほどに雄大な世界樹だ。こっちに回す余裕だって当然にあるだろう。

 なんだけど、今世界樹の攻撃手段はそんな物理的なものじゃない。じゃあなにかというか、魔法である。この世界、というかこのLROというゲームは魔法の発動には「詠唱」という工程をとても重要視してるというのは、度々語ってきたと思う。

 MPという概念がないからこそ、詠唱という制約をかなり重く、そして強くしてるというあれである。でも世界樹には当然だけど口なんてものはない。このために何処かからか口が生えてきて詠唱しだす……というのも不気味だ。


 まあつまりは世界樹は詠唱なんてしてないわけだが、魔法を使ってきてた。それはどうやら僕もよく使う不可視の風の刃のようだ。まあ僕の場合はあれは魔法ではない。

 集めた風を刃としてはなってるだけ。けど魔法で同じような物があるのはしってた。スキルでもあったと思うけど……でもそこは世界樹である。どうやら僕が使ってた風の刃なんかよりもかなり凶悪な性能みたいな感じだ。

 なんで僕がそんな他人事なのかというと、もちろんすべての対処はレシアのやつに任せてるからだ。どんな攻撃が来ても僕は何もしない。一切ね。いや、何もできないと言ったほうが正しい。

 だって僕は祝福でコードを弄るのに忙しい。体を操る余裕はない。だからこそ、体外的なことはレシアに任せるしかなかった。それは信頼関係とかじゃない。ただの利害関係だ。


 僕たちは互いにヒイラギをどうにかして自分たち側につかせたい。まあ僕の場合はヒイラギの気持ちを無視するつもりはない。世界樹の繭の中に引きこもってしまったヒイラギをどうにか出したいってだけ。


 それ以降は……それ以降は言葉で誠心誠意謝るしかないっておもってる。ヒイラギは小さくて幼い子どもになってしまってる。それをきっとちゃんと理解してなかった。

 だってレシアがこれだからさ。こいつがこんなんだから姉妹たちの変化に疎くなってた。どこかあのヒイラギだし……とかいう思いがあったのかもしれない。でもヒイラギはレシアとは違って完全にリセットされてる。

 ただの子供に……いや寂しかった子供になってるんだ。愛に飢えてる……そんな子に……それに僕は向き合ってなかった。


「だからもう一度、ちゃんと謝りたい……」


 そんな思いを僕は口にする。

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