2416 前に進む為のxの問い編 800
確かに僕には今のレシアの炎を逆に奪う程の技量はなかった。それにすべての札の属性。それを開放してすべてを結ぼうとしたけど、それもあまりうまくはできなかった。これが僕だろう。僕なんてのはこの程度だ。
(これが日鞠だったら……)
そんな事を考える。頭に浮かぶあいつの顔。むかつく事も、落ち事も多い。でも……誰よりも僕が守りたいと思う存在があいつなんだ! だからっ! 手を出させはしない!
なんとか結んでる全属性の力をフラングランに乗せて僕はレシアを切った。あいつの炎を剥がして、無防備な所に一撃・二撃・いや四撃は一瞬で切り裂いた。本当ならもっとやりたかった。見えてるレシアのHPが無くなるくらいまでは……ね。
でもそれは贅沢というものか。そもそもなんとか結んでた力だ。攻撃に気を取られたときからその解き――はきっと始まってた。だから四撃入れた時点で、僕が札を使って結んでた炎や水や光や闇の属性がほどけてはじけた。
一気に自身の周囲に力の本流が流れる。僕とレシアは距離を放される。それに……
「これは不味いかも……」
フラングランがなんか一気に見ただけでもわかるくらいにボロボロになってる。無茶な使い方をしたから、その耐久力が一気に減ってしまったらしい。
「いや、よく持ってくれたと思おう」
だってスキルにもなってない力を無理矢理使ったんだ。それを纏わせて、フラングランを振るった。ちゃんとした付与のスキルなら、付与してる武器の耐久力がそのせいで減る……なんてことはない。
けどさっきのは無理矢理だ。きっとダメージがフラングランにも通ってたんだろう。てか意識してなかった。自分自身の体の方は意識してたけど、フラングランまでは……ね。でも相棒なのに僕は薄情な奴みたいだ。
「って、ヒイラギ!」
そういえば落ちてたヒイラギ。いや、空に放り投げたのは僕だ。だからちゃんと回収しないといけない。いや、そうしないと地面に叩きつけられてヒイラギは……集中してたから一瞬ね……一瞬忘れてたけど、僕はヒイラギの回収に動く。レシアもまだダメージから回復してないし、今なら余裕をもってヒイラギを回収できるだろう。
そんな風に思ってた。
「ヒイラギ!」
僕はそう叫んでヒイラギを受け止めようとした。けど……ペシッ――と僕の手を払いのけたヒイラギは僕の腕をすり抜けて地面へと落ちていく。