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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2411 前に進むためのXの問い編 795

 「くっ……そっ!」


 強い。目の前のレシアの強さにイラついてしまう。けっこう無茶をやって攻めてるんだけど、有効打にまでならない。やっぱり無茶をしてる……といっても、それにも限界がある。なにせ僕の背中にはヒイラギがいる。

 そのせい……というのも失礼だが、僕が耐えられてもヒイラギがたえられない場合があるだろう。なにせヒイラギはまだ小さい。きっとその服は高級だし、実は防御力そこそこありそうだけど、でもHPはどうしても子供だし少ないだろう。だからやっぱり無茶にも滅茶苦茶な無茶というか、無難の無茶しかできないというか……


(いや、言い訳だな)


 僕がもっと強かったら、ヒイラギを背中に背負ってても、倒せるはずだ。僕がもっと成長すれば、レシアを突き放してやれるんだ。それに制限があるのはきっと僕だけでもないと思う。

 だってレシアの奴は今やヒイラギを見てはないが、それでもきっと気にかけてはいる。だってもっとおちょくろうと思ったら、わざとヒイラギを狙ってみせる――とかやったら、実際の所それをやるかやらないかは別にして、そういう動きをされたらこっちとしては対応せざる得ない。

 だから有効なんだ。そのブラフだけでもこっちはヒイラギを守らないといけないし、もしもそれをしようとしない感じをヒイラギに感じさせたら、さらにヒイラギの心が不安定になるだろう。

 実際、ヒイラギをこれ以上不安定にさせたくない。星読みの御子として、世界樹とつながりがあるだろうヒイラギはさっきから涙が止まらない。そのせいで、世界樹の光がなんか赤くなってる。それは実はどんどんはっきりとした色になってる気がする。

 けど何か影響が出てるのか? と言えば、別にまだ何かが始まってるわけじゃない。だから何もできてないんだけど……実際このままじゃ危ないし、ヒイラギが僕もそしてレシアもどっちを信じればいいのかよくわかってない状態になってるだろうから、一度安全な所にでもおろした方がいいのでは? と思う。


 でも、今のリア・レーゼに安全な所なんてないんだよね。もともとここにいる星読みの御子の為の奴らでさえ、信用なんてできないわけで……じゃあテア・レス・テレスの後方の人たちに任せておく? 実際それが一番いいような気がするけど……けど一つ考えてる事がある。


(僕はレシアを放って戻る事はできない。けど、テア・レス・テレスの人たちを多少返すくらいなら出来るんじゃ?)


 そこそこの数がリア・レーゼの方へと来てるんだ。だからこっちにきた半数……は流石にやりすぎかもしれないが、三分の一とか……そこらへんはリア・レーゼの指揮官の人に任せて判断を仰ぐくらいはしたい。

 僕が勝手に出来る事はないが、大体テア・レス・テレスの人たち……それも指揮官とか任されてるプレイヤーならそれなりに会長に心酔してたりするだろう。なら放っておくなんてできないと思う。何人かはきっと会長の方に回してくれるだろう。

 それがどれだけ助けになるか? なんてわからない。けど、会長なら増えた戦力を有効に活用できるはずだ。だからきっと時間が稼げると思う。その間に、リア・レーゼを守って、会長の方に僕も行けるようにする。

 それが一番現実的だろう。焦るんじゃなく、確実に出来ることをやっていく。それがきっと大切だ。

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