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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2409 前に進むためのXの問い編 793

「会長に何をする気だ!」


 僕はペッとつばを吐いて口の中の切れた感じを吐き出した。実際LROには血の表現はないから、殴られからって口の中が血の味でいっぱいになる……とかはない。

 けどついね。ついやってしまうことだ。それにかなりいいのもらった。実際平気そうにしてるが、視界がちょっとぼやけてる。そのせいでコードを見れない。これだと事前にレシアが何をやって来ようとしてるのか、コードによっての先読みが出来ない。

 まあ先読みしてても良いのをもらったけど。でもあれはこっちが悪い。動揺した。


(落ち着け。例えどんな策をこいつらが巡らせてたとしても、相手はあの日鞠だ。あいつを出し抜ける存在を僕は知らない)


 僕は必死に自分にそう言い聞かせる。だって世界は広し――というが、僕はあいつ以上の最高の人間をしらない。その頭脳も社交性も運動センスだってそうだ。あいつにはもはや何が出来ないのか? と問いたい。

 それだけの本物の天才だ。僕は世界があいつを中心に実は回ってます……とか言われても信じる。信者達が日鞠を持ち上げるのに辟易してる感を普段は出してる僕だけど……誰よりもあいつの才能を疑ってないのもまた僕なんだ。

 だって僕たちはずっといっしょに育ってきた。誰よりもあいつの近くでその才能を垣間見て来たんだから当然だろう。

 天は二物を与えないとかいうけどあいつはすべてを持ってるぞ。まあ容姿はとびきりにいい摂理を知ってしまったからめっちゃ美人とは言えない。けど地味だけど、決してブサイクではない。てかあいつの場合、あえてそうしてるフシもある。わざわざ今どき、黒髪みつあみに、黒縁メガネなんて、もうそういう属性を狙ってる感があるしな。

 

 まあこっちでは流石にそこまで地味にはしてないけど……でもそれでもLROで一番のチームであるテア・レス・テレスを率いてるのが彼女だと、一目で見て気づくやつがいるだろうか? という感じではあるのは確か。

 テア・レス・テレスは同じ服来てるからな。それが明らかにリーダーで変わってたらわかるだろう。実際、差異はある。でも日鞠は元々そんなに豪奢なものに興味なんてないし、地位にもそうだ。

 だからそこまで普通のテア・レス・テレスメンバーが着るような制服とそんなに違いはない。見る人が見れば多分分かる……そのくらいの差異だ。だから知らない人は会長を見てもただの一テア・レス・テレスメンバーくらいにしか思わない可能性は高い。


 まああいつは自分がとても優秀だということもわかってる。だからこそ、見た目で少しでも溶け込もうとも思ってるのかもしれない。なにせ「優秀すぎる」ということは「周囲とは違う」――ということだ。

 それを実感したことだって日鞠はある。あいつでも全く失敗がなかったといえばそうじゃない。でも致命的な失敗ってやつはしない。


「しょうがないよね。だって彼女は確実に障害になる」

「会長の事、見くびらない方が良いぞ」

「大丈夫、見くびってないから、全力で行ってるの。だからスオウはここにいる」


 やっぱり僕がこっちによこされるのは想定内なのか……となるとここでグズグズしてる暇はない。いや、会長がどうにかなるなんて思ってないけどね。でもとりあえずさっさと戻って――


「遅かったねスオウ」


 ――というあいつの顔が見たいんだ。けど……なんだこの胸のざわめきは?

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