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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2420/2711

2408 前に進むためのXの問い編 792

「貴女が妖精王ですか?」


 二重、いや三重やら四重へと重ねた色彩色の翼。前にスオウから報告を受けてたときよりもその姿は何やら神々しくなってるような気がするけど……きっとこれが……彼が妖精王で間違いないだろう。


「私が妖精王だ。それでそちらは会長……で間違いないか?」


 この状況でわかってたけど、どうやら彼は私を狙い撃ちしてきたみたいだ。空からの一つ筋の月光。それが降り注いで私はいつの間にか月の城に招かれたみたいだ。

 なにせここは崩れかけた柱とかがあって、私たちがいる中央はきっとステージか何か? なのかな? 周囲はもちろん吹き抜けてて、おおきく大きく、LROの星が見えてる。これが宇宙から星を見る感覚。

 とても私は貴重な体験をしてる。なにせ宇宙服もなしに私は宇宙から星を見てるんだ。宇宙飛行士だってここまでの開放感は感じられないだろう。だってリアルなら、宇宙服は必須だ。宇宙服なしで宇宙にでるなんてそんなのは自殺行為。だから全ての宇宙飛行士達はあの重厚で閉鎖的そうな宇宙服越しにこの光景をみてたはずだ。

 けど今の私は違う。言うなれば山の上にいるかのような開放感とともに私はこの場所にたってる。なんだったら深呼吸だってできる。


(これが宇宙の空気か……)


 ――とかいう矛盾したことを思ってしまう。思わずね。宇宙に空気なんて本当はない。けどLROだから、バーチャルだからこそ、宇宙でも自由自在だ。


「満足してくれたかな?」

「はい、とても。感動的な光景ですね」


 写真とかでも見たことあるし、最近は宇宙の人工衛星とかに取り付けられてるカメラから映像を配信してくれたりもしてるから、それでこういう光景を見れないわけじゃない。

 でもやっぱり空気感が違う。空気ないけど。まあ今言ってる空気感はつまりは雰囲気である。なにせやっぱり配信とか動画、写真でみても、それは切り取られた一部しかなくて、眼の前いっぱいにその光景が見れるわけじゃない。それにどうやっても宇宙の匂いってのは感じれない。

 実際今見てるのも、感じてるのもイメージというか、バーチャルだ。ここを作ったその人が宇宙に行ったことがある……とも思えないしね。だからこそ、この感覚そのものはきっと想像でしかない。

 でも……やっぱり全身で感じることができるってことが感動を生むんだと私は思った。

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