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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2404 前に進むためのXの問い編 788

「ほら、答えてあげなよ。ヒイラギお姉ちゃんは、まだ信頼してるスオウの口から聞きたいんだって……ね!」


 ぶっ――と横っ面をひっぱたかられた。良いのをもらったせいでHPが一気に減るし、さらには炎症ダメージも頬をヒリヒリとさせる。回復しても完全回復にならないのが炎症ダメージの厄介なところだ。

 地味にHPを蝕み続ける。油断してたらHPが予想以上に減ってて、一発もらったらいつの間にか致命傷になるとか有り得そうだ。ヒイラギの方に気を取られた隙を突かれたな。

 質問に答えろ――とか言いながら、ぶん殴ってくるって実は答えさせる気がないのか? いや、ただチャンスだからレシアは攻撃をしてきただけだろう。なにせ僕がその解答を遅らせることはレシアにはなんのデメリットもない。

 むしろメリットしかないだろう。だって僕がその答えを言わないでいると、レシアの言う通り、「まだ」ある信頼というのは減っていく。


「ほらほらぁー!」


 滾ってる炎が徐々にその激しさを増してる? 再び熱さが戻ってきてるような? いや、僕が対応してた炎を超えてきてるのかもしれない。一度奪った炎のお陰で僕はレシアの炎への対策をしてた。

 でもこの炎症ダメージもそうだけど……こいつはそもそも、一種類の炎しか持ってない訳じゃない?


「スオウ~! スオウ~!」


 そんなことをいって背中で揺れるヒイラギ。僕が答えてくれないから業を煮やしてるみたいだ。でもこっちも本当に大変で……どうにかレシアのやつを引き剥がさないと……かといってこいつは攻撃力にただそのステータスを振ってるってわけでもない。

 確かに僕の方がまだ速いが、でも遅いわけでもないし、炎を使うのがめっちゃうまい。簡単に離れなれない。てか……レシアは直感で戦うタイプじゃないみたいだ。

 こいつ、いつだって相手が今、何をされたら一番イヤなのか……それを考えて行動してる節がある。一番敵に回したくないタイプのやつだ。背中でヒイラギが暴れたら、僕の動きにも多少の妨害になる。それだってきっとレシアは狙ってる。

 そしてそれは確かだ。確かにヒイラギはまだ小さい。けど背中で動かれると重心というか、そこら辺が安定しなくてわずかに動き出しとかが遅れる。回避行動だってそうだ。

 僕は背中を見せることはできない。だからこそ、レシアとは正面切っての対応しかできないが――


(こいつ、僕が絶対にヒイラギを盾にしないってわかってる)


 ――それも厄介だ。実際、ヒイラギは盾として有効だと思う。だってヒイラギは覚えてないが、レシアはヒイラギをちゃんと姉妹と認識してる。だからこそ、ヒイラギをワザと攻撃の最中晒せば、きっとレシアはためらうだろう。

 けどそれをしたら、僕はヒイラギからの信頼を完全に失うことになるだろう。だからそれは出来ない。

 でもこのままだとピンチなのは確か。だから僕は正直になることにした。

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