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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2409/2706

2397 前に進むためのXの問い編 781

 風には僕の要素が入ってる。僕自身から起こしてる風なんだから、僕の成分? はなんか気持ち悪いが、その要素となるなるものが含まれてるんだ。なので騙せると思った。


 実際、渦は一瞬だけどたくさん現れた僕に対して戸惑ったような反応が見えた。わずかだけど、炎の渦の先端が迷ったような……さ。そんな動きをした。きっとそれはレシアの迷い……なんだろう。

 でも本当にそれは一瞬。きっとレシアはこう考えただろう。


(なんかいっぱいあるけど、全部壊せば関係ないよね)


 ってね。いや実際、本当にそう考えたのかはわかんない。けど……きっとあながちまちがってない。だって炎の渦は僕の作った岩人形をぶち壊し出したからだ。この中にいると僕もいずれ狙われて、そして避けたりしたらきっとバレる。なにせ岩人形達は動かないからね。

 でも気づいてるだろうか? いや気づいててもそんなに問題ないと思ってるかもしれない。


「スオウ……」


 背中のヒイラギが弱々しくそんなふうに名前をつぶやく。僕はインベントリから出した紐を使ってヒイラギのやつをしっかりと自分に結んでおくことにした。なにせこの状態は僕たちのせいだ。

 ヒイラギはまだ小さい。だからその体で世界樹の力を受け止めるのは大変なのかもしれない。でも大きさの問題なら、それこそモブリは大人になっても小さいけどね。心と体の成長が必要なのかも……


「もうちょっとだ」


 僕はそうヒイラギに声をかけた。この視界不良……そして撒き餌のような岩人形……それだけじゃない。ちゃんと逆転の一手を仕込んでる。劇的なことじゃない。ヒイラギも苦しそうだから、これ以上の助力は求めない。けど……僕の中には溜まってる。


 何が? それは情報……コードだ。岩人形がやられるたびに、その情報を僕は受け取ってる。それとこれだけヒイラギが弱ってるわけ。それはヒイラギが大きく世界樹を動かしたからだ。

 それは物理的に動いたわけじゃないよ。世界樹なんてアホみたいに大きな木が動いたら大災害だ。そうじゃない。ヒイラギは星詠みの御子。だからこそ、世界樹との対話の手段を持ってる。

 力をこれ以上行使する必要はない。ただ……この場所。リア・レーゼという場所……いや空間を一時的にでも僕に明け渡してくれればそれで良かった。

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