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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2392 前に進む為のxの問い編 776

 三方向に分かれた炎の渦。その分小さくなったが、それでも人を飲み込んで切り刻んで灰にするには十分な大きさがあるだろう。そんな炎が斜め上とそれぞれ左右から迫ってくる。後ろに下がるのが正解かなのか? いや後ろに下がったとしても、きっとあれは追いかけてくるだろう。実際あの中でレシアが入ってるのは一個だけのはずだけどだからってどれがそれか……そして一つ以外は一回避ければそれで止まるだろうなんてのは希望的観測だ。


 レシアの今の力がどれだけの物か……今までの印象で言うなら――


「想像以上」


 ――というほかない。だから下の想定をするよりも上の想定をしておくべきだ。逃げててもダメ。けどだからってこの周囲を熱気で支配してるのはレシアだ。そのせいで僕でさえ風を掴むことが出来ない。

 迎撃もできないが……起死回生の一手を与える事を考える。後ろには逃げても追いかけてこられるのなら、いずれ捉えられるだろう。なら、こっちから動いて少しでも有利な状況を作りだす必要がある。


「スオウぅ……」


 不安がってるのだろうヒイラギの体が震えてるのがわかる。僕はとりあえず「しっかりつかまってて」といって地面を蹴った。周囲の風を掴むこともできないし、それなら別の属性の武装をすれば……となるだろうけど、雷帝武装に必要な札はもう足りない。

 使いすぎた。風はどこにでもあるって高をくくってたせいで、札を持ってない。あとは炎と水と土と氷とか、後は光と闇もあるが……その中で武装まで持っていけてるのは炎しかない。でも炎はレシアと属性が同じだ。

 威力を減衰出来るかもしれないが、同じ属性なら、こっちの攻撃も威力的にそんなに効かないような気がする。本当なら水を使えればいいんだけど……武装できないとなると、札の魔法は威力不足過ぎる。僕なら束ねたりできるが、それでレシアの炎に対抗できるか? と言われたら自信がない。単純に初級中級上級と上がってる魔法なら、初級魔法を発動してくれる札の魔法を百個くらい束ねたら上級くらいまでの魔法には対抗できる可能性はあるかもしれない。


 でも、レシアの奴の力はそういう単純に比較できる炎じゃなさそうなんだよな。僕は地面を蹴って、正面から向かってくる炎の渦に向かう。けど流石にまっすぐに行くなんて事はしない。斜めに進んで直撃と出来る限り熱気も耐えられる程度の所を狙う。


「ずあ!?」


 思ってたよりも熱気が強かった。自分の横を通り過ぎていく時、わずかでもこっちに寄ったんだろう、そのせいで渦と熱気にわずかだけど包まれた。端っこの方だから逆にその渦の勢いに吹き飛ばされたからまだよかった。あのまま巻き込まれてたら燃え尽きてただろう。


 正面からきてた奴とすれ違ったけど、既に他の二つがこっちに向かってきてる。僕はとりあえずジェスチャーコードで水の札を大量にだして、それを発動。それらを雑にまとめて前に放った。それと同時に、回避行動もとる。

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