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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2391 前に進む為のxの問い編 775

 レシアの奴は派手に暴れてる。そして地響きを起こすような力強い踏み込みの後に炎を地面から出すような技を出した。それによって沸き立つ炎にたくさんのプレイヤーやこのリア・レーゼの僧兵たちが巻き込まれて舞い上がった。


「あいつ……」


 レシアの奴はリセット前の世界では姉妹の中でも目立たない方だったはずだ。そもそもがいつも寝てて、ちゃんと動いてたのかすらぼくの記憶では怪しいんだが……生まれ変わったレシアはどうやら正反対になってるようだ。

 あいつの一挙手一投足が派手だ。それこそシクラとかヒマワリの奴が似合いそうな、そんな戦い方になってる。


「くっ!」


 視界が交差したと思った。そしてそれは間違ってなかった。炎と共に空に上がったレシアの奴はこっちをみると、地面から沸き立たせた炎を渦のように纏ってこっちに向かってくる。


「風帝――風が!?」


 僕は風帝武装を纏おうとした。けど、レシアの熱気に空気が当てられてるのか、僕の風が拒絶された。こんなのは初めてだ。周囲の風が熱気となって、レシアへと取り込まれてる。それでも僕はなんとか避けた。炎の渦となってるレシアは周囲を焼きながら、さらにその渦の勢いで地面をえぐりながら進んでた。


 そして一回ではおわってない。反アーチを描くように僕がいた所をえぐると、再び空にあがった。そして大きく旋回して、再びやってくる。


「あいつ!?」


 やばいぞ。あれじゃあ手が出せない。だってレシアの奴はあの炎の渦の中にいる。熱気と地面をえぐるほどの熱風を巻き込んだ炎の渦の中だ。それにそのデカさ……僕も前は風の渦を刀身に纏わせていたが、その比じゃない。だって刀身なんて細いものだ。数十センチくらいだ。

 けどあの炎の渦は直径三メートルくらいはある。なにせレシアの奴を丸々飲み込んでるんだからな。まあけど、流石にそこまでレシアは大きくないが。普通に小柄な女の子だからな。なのに炎の渦は三メートルくらい。かなり余裕を持ってる。


(やっぱりあいつ自身も熱いのか?)


 そんな理由じゃないとあの大きさは説明できない。けどそんな事を考えてる場合じゃない。だって、今のレシアを止める術が僕にはない。流石に武装もできないとなると、あれを跳ね返すなんてできないだろう。

 だから僕はよける事に徹する。僕の目と、そしてスピードがあればなんとか避けられる。でもあんなのでも早いし、それに……問題は熱気だ。かなり余裕をもって避けないと、熱気に当てられてしまう。ギリギリでなんて避けたら、自身が着てる服や防具から炎が湧き上がるという仕様があるらしい。


 それに……だ。どんどんその状態になれてきてるのか、小回りが利きだしてる。


「なぁ!?」


 僕は驚愕した。なんと渦が空中で三つに分かれたんだ。そして三方向から迫ってくる。まずい……逃げ場がない。

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