2390 前に進む為のxの問い編 774
「ヒイラギ……お前はここに……」
「いーやー! 邪魔ですかぁ?」
僕がそういうと、ヒイラギが僕の背中で強く抱き着いてきた。さっきまで戦いの中、実際背中からダメージを受けなかったのは奇跡的というか? かなりヒイラギだって怖い思いをしたはずだ。
なら、僕の背中にいるのは危ないってこともわかってたと思ったんだけど。実際、レシアの奴は僕の想像以上に強い。一回り……いや二回りくらいは強かったといっていい。
今の所、あいつを攻略するビジョンが見えないし……硬くて、強力……シンプルな強さだ。その頑強な防御力をさらに高めて、更には炎という広範囲にバラまける攻撃手段。
僕のようなスピード特化とは相性が悪いと言わざるえない。だっていくら早く動けたとしても、レシアは広範囲に攻撃をまき散らせばいい。そしてここぞという時に……
「つっ……」
僕は腹をなでる。さっき殴られた部分だ。実は完璧には治ってない。火傷という状態異常がついてる。
「ご、ごめんなさい~。私でもこれは治せないみたいです~」
そんな風に僕の辛そうな顔を見てヒイラギが言う。ヒイラギは星詠みの御子の力を持ってて、色々とバフや回復をくれることができる。それにそのバフや回復魔法はきっと結構特殊だ。
そのはずだろう。だって単純な魔法ではない。特別な魔法を使ってるように見える。でもそのヒイラギでもこの火傷を回復させることは出来ないみたいだ。
きっとただの火傷じゃないんだろう。実際、コードを見てたらそれが良くわかる。これは状態異常としては火傷だが……コードを深く読み解くと、呪いに近い。呪いを火傷の状態で表してるみたいな……そんな事をやってるみたいだ。
それなら呪いを解くように魔法を使ってもらえばいいのでは? となるだろう。僕も思った。けどどうやら呪いの解呪というのは星詠みの御子であるヒイラギもすぐにできることじゃないようだ。
「私がぁやくたたずだからぁ~」
そんな風にぽろぽろと泣き出すヒイラギ。こんな状態のヒイラギをおいてなんていけない。けどただ連れて行ったとしても、今度こそケガさせたりする可能性はある。
それに攻略法だってまだない。なにかないか?
「ヒイラギ、何か気づいた事はないか?」
僕は幼いヒイラギにそんなことを聞いてしまってた。きっと僕も焦ってんだろう。




