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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2387 前に進む為のxの問い編 771

「強くなったじゃんスオウ。私の目も覚めてきたよ」


 そんな事を余裕そうに言うレシア。切るよりもたたく感じで雷をぶち込むようになってからは、確かにいい戦いを出来てると思う。こっちは一回も当たらないようにするので冷や汗だらだらしてるけどね。ても要所要所でヒイラギがいい仕事をしてくれてた。僕の首に腕を回して抱き着いてるヒイラギはなんとか邪魔にならないようにと、脚も使って僕の体に密着してる。

 それだけでかなり大変だろうし、この戦いをいったん納めないと……と思ってる間にレシアの奴のギアが上がっていってさらに激しさは増してる。本当なら周囲のプレイヤーとかも援護をしようとしてるようだけど……僕とレシアの戦いが激しすぎてその隙を与えてない。そんな中、味方になってくれてるのはヒイラギだ。


 実際邪魔さえしなければそれだけでよかった。むしろこれだけ余裕なく動いて申し訳ないとさえ思ってるほどだ。だってヒイラギを気にしてる余裕がないんだ。一応背中側から攻撃されないようには気を付けてはいる。

 なんか前……リセットする前は知らなかったが、レシアの奴はかなり戦闘センスって奴が高いみたいだ。僕の動きにどんどん合わせてきてる。この状態の僕はそれこそめっちゃ早い。気づいたら切ってる状態で、反応したら所で……だ。反応した時にはもう切り終わってるといっていい。それだけのスピードなんだ。だからこそ、レシアの奴だって僕が攻撃して、その強靭な体で受けた所を狙ってた。

 けどだんだん、なんかそうじゃなくても捉えられてきてる。馴れって奴なのかもしれない。野球とかでもあるだろう。どんなに速い160キロクラスの球でも、それだけを投げ続けてるとやがて打たれてしまう……それと一緒じゃないだろうか? 時にはゆっくりした動きも混ぜた方が対応しにくくなるのかも。

  それに……だ。全く見えなかったらそれそこ感覚を研ぎ澄ませていって、レシアみたいにセンスの塊みたいなやつはそんな感覚を覚醒させていってしまう可能性もある。

 でもそこに手を抜いた……とは違うけど、逆に良く見せる動きを加えることで、目に頼ろうとするかもしれない。そうなると、感覚だけがどんどんと鋭敏になっていく……というのを防げるかもしれない。


 なら早速――ということで僕はわざとスピードを遅くした。


(これでよく見えるだろう)


 とか思ってたら、なんか背後から――


「危ないですよ~」


――という声が聞こえて来た。すると次の瞬間、レシアの右手が真っ赤に燃えたと思ったら、それが爆散して全方位に炎が巻き散らかされた。


「くっ……」


 僕はなんとか最小限のダメージで距離を取れた。危なかった。あのままゆっくりと動いてたら対応できなかった。下手したら僕のHPが一気になくなってた可能性だってある。てかなんとかダメージは最小限にできたけど……やけど状態なったみたいだ。

 体がちょっといたい。ちょっとずつ、HPにダメージが入ってる。


「ヒイラギ、大丈夫っ――!?」


 炎の中から熱戦が飛んでくる。僕はそれを空中を蹴って避けた。爆炎でレシアの姿は見えない。けど、なんか正確に狙ってきたような? 


「避けたらどうなるかわかる?」


 そういうレシアの声。暑さを感じる光がこちらを……いや、またリア・レーゼを照らす。再び小さな太陽の様な火球をレシアは作ってた。しかも今度はちゃんとあいつ自身がそれを制御してるみたいだ。

 その掲げた手の先に火球はある。小さい太陽みたいといっても太陽比で小さいだけで、僕らから見たら巨大な炎の塊だ。このまま下に投げられたらやばい! 僕はとっさに、せめてレシアの横の高度に並ぶ。


「来い!」


 そんな風に準備は出来たみたいに言った。けどレシアは不敵な笑みを浮かべる。


「別にスオウに向ける必要もないよね?」


 そういってレシアはリア・レーゼの大地へと向かってそれを放つ。

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