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命改変プログラム  作者: 上松
第一章 眠り姫
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まだ見ぬ誰かの思い

 僕は結局色々と検査されることに。その結果としては別に、今直ぐにどうにかなる事でもなかったんだけど、もう一度釘を刺されてしまった。

 やっぱりイクシード3は体に蓄積されるダメージが違うみたいだ。まあ色々と言われて病院を後にする僕ら。

 そして今度は多分メインイベント。秋徒達はこの為に僕を連れ出したんだろう。


 摂理達の病室よりも薬品臭い診察室へと移った僕。なんだか今日はもうLROに入れないと知るや、あの医者が検査してやるとか言ったんだ。

 こっちは普通に総合病院としての機能を行ってるほうだから、摂理達の病室とは違い、それなりにガヤガヤしてる。

 聞こえるのが蝉の鳴き声だけじゃないんだ。実際、もう既にいろんな検査とかはやり終えてる訳だけど……なんか一人で待たされてる。

 レントゲンとか色々やった。CTUとかも高そうなのになんかしてくれた。でもそこまでしてるから、こんな所で一人にされると不安に成るよな。

 てか病院って基本気が滅入る感じ。僕も日鞠程じゃないけど、あんまり病気ってしないし、頻繁に医者の世話になるなんて……


「う……」


 なんか思い出したくない過去がフラッシュバックしてきやがった。元が基本苦手なんだよな。この薬品の臭いもそうだけど、清潔に見えて雑多な感じも好きじゃない。

 それになんか……待合室も基本僕は嫌いだね。なんだか暗くなる。基本誰しもが、体のどっかに不安を抱えて来てる訳だから、当然と言えば当然かもだけど……もっとマンガとか置いとけば良いと思うよ。

 雑誌とかしか無いもんな。後は新聞とかか。もっと思春期の子供の事も考えて欲しいものだ。更に小さな子供用には遊び場があったりする癖に、年頃の僕らへの配慮が足りないよね。


 なんだか病院に対する不満を頭で巡らせてると、携帯が振動してるのに気付いた。携帯って言っても今の時代は、それはスマホなのだ。スマートフォン。

 既に何年か前に昔の携帯――『持ち運べる電話』の方は縮小しちゃったからね。まあだけど、何年か経っても形はあんまり変わらない。

 基本、四角くて薄く細長い感じ。まあなんとか個性を出そうとしてるのとかもあるけどね。僕のは普通の四角い奴だけど、日鞠のは本体分かれる。二つのスマホを持ってるのと変わらない感じ。

 あれってどうやって繋げてるか知らないけど、一つにすれば普通のスマホの手のひらサイズよりも大きな画面になるし、分割すれば別々の事が出来るという優れ物だ。しかも持ち運ぶ時は、重なり合わせる。


 元が薄いからそれでもポケットに入る厚さしかないのだ。ここまで来たか~とも思うけど、そろそろ立体映像が出てきても良いと思うんだよね。

 映画みたいにさ。まあ既にLROの中ではそれは実現してるんだけど、あれはきっとLROのある場所事態が、電子空間だろうから出来る事何だろう。

 リアルじゃ、まだまだ一般には普及しそうに無い。最近は妙に3Dが世間にとけ込んだ位だしね。それが普通ってな感じで。

 僕はポケットから一般的な形のそれを取り出して画面を確認。どうせ秋徒とかからと思ってたけど、その予想は外れた。


「セラ? 何用だ――って、もしかして意外と早く復旧するとかの連絡かな?」


 僕は胸に期待を募らせてメールを開いた。もしもそうなら、秋徒達のデートを邪魔するのも悪いし、さっさと帰宅しよう。


「ん、なんだこりゃ?」


 そう思ってたのに、開いたメールはなんだか正直期待外れ。てか訳わからん。メールの内容はこんな感じ。


【お天気ですね。殺人的な日差しにやられてない? 私はやられてます】


 だから何だ!! いいや、それよりも最初のお天気ですねも意味不明だよ。しかも何故か丁寧口調だし……余計に不気味さが増してる。

 てか本当にセラかなこれ? 怪しいよ。しかもこれはどう返信していいのかわからない。突っ込めばいいのかな? それとも何、ただの嫌がらせ? LROで出来ないからって、リアルにまで進出してきたの? 超迷惑なんだけど……僕は静かにメールを排除してポケットに戻したよ。


 するとようやく医者登場。白衣姿に赤いネクタイ。青いチェック柄のシャツを中に着てて、頭はボサッとしてる自信過剰な中年だ。

 いや、もしかしたらまだ二十代後半なのかも知れないけど……まあ大体三十のどっかだろう。


「待たせたな」

「ほんとに」


 手に持った資料……いや、この場合はカルテなのかな? それを机に置いて椅子へと腰掛ける。ほんと、やっとだよ。もっと患者を不安にさせないように努めて欲しい


「で、どうなんですか? 僕の体は」


 僕は自分から切り出して話を進めようとする。すると医者は大きなため息を一つ吐く。え? 何それ……なんか不安が増すよ。


「結論から言って良いか?」


 そんな真剣な声で、医者は肘を立てた手で目尻を押さえながら言う。おいおい、そんな考える人みたいな格好されたら、更に不安に成るじゃないか。

 でもあんまりそう言うのは見透かされたくない年頃だから、僕は至って平静に「どうぞ」と言っておいた。その言葉を受け取って、医者は目の前のカルテを取って口を開く。


「まあ、まだ大丈夫だとは思うぞ」

「なんだそれ、もっと軽く言えよ。妙に神妙そうな雰囲気だすな」


 全く、医者が患者の不安を煽ってどうするんだ。


「まあ、まだ大人しく聞いてろ。それにまだってつけてるだろう。これからも同じ様な状態でやっていくと、大丈夫じゃなくなるかもだぞ」


 う……それは困る事態だな。


「まずはそうだな……体に疲労がかなり蓄積されてる。体の節々で疲労骨折おきかけてるぞ。入院でそれも解消された筈だったが……この短期間で一体何やったんだ? 異常だぞ」

「それは……まあ、ちょっと体に悪い力を使ったって言うか……」


 しどろもどろな感じの僕。すると何かを察した医者はズイッと顔を寄せて来やがった。


「お前まさか、そのなんだっけ? イクセント3だっけかを使ったのか?」

「イクシードだよ」

「そのイクシードを使ったんだな?」


 近い近い……僕はコクコク頷いた。たく、秋徒が余計な情報を医者に告げ口するから、イクシード3は禁止されてたんだ。


「たく……一体LROはどうなってるんだよ。実際ゲームの中で受けた傷とかが本体にダメージを与えるなんて医者としては納得出来ないんだが……目の前で起きてる以上、これがリアルなんだろうな。

 てか、使うなって言っただろうが。死にたいのか――いや、死ぬぞお前」

「断言するなよ! そこはご自慢のゴッドハンドで繋ぎ止めろよな」

「死にたがりを助けるのは乗らないんだよな~」


 最低の医者が目の前にいやがる。なに口を尖らせてふてくされた風にしてる訳? 苛つくぞその顔。


「だから僕は死にたがりじゃないっての。そもそもアンタ、それなら摂理の方がそうなのに文句言ってないじゃん。贔屓だぞそれ」

「野郎と美少女じゃ比べるべくもないよな」


 ヤレヤレな感じで首を振られたよ。まじで最低だこの医者。容姿で贔屓してるよ。


「アンタは最低の医者だよ」


 ズバリ言ってやった。


「お前からは金も出てないしな」

「善意だったんじゃないのかよ!」


 善意を貫き通せよそこは。なんか途中でやる気無くしたみたいじゃん。たく、ろくでもない医者も居たもんだ。こんな奴の診察を受けてる人が居るのかと思うと、悲しくなるな。


「まあ、取りあえずオブラート3は使うなよ」

「おい、覚える気ないからって自分が知ってる似てる言葉で無理矢理言うなよな。許されないからな」


 イクシードは僕の切り札なんだぞ。バカにして貰っちゃ困る。


「それにやっぱりその約束は出来ないかも。どうしたってそれが必要に成る時ってあるし。どうしてもの時は、僕は迷わず使う」

「今回使ったのもどうしてもだったのか?」

「それは……」


 今回は何だっけ? まあそう言えるとは思うよ。許せなかったんだもん。感情に左右されただけかも知れないけど……アイツはこの手で葬りたかった。それがこの程度の代償なら、別にどうって事無いな。


「どうしてもの時は、しょうがないとは認めてやるよ。生きるか死ぬかを決めるのはお前だしな。それに男にはやらなきゃ行けない時がある。

 だけど吐き違えるなよ、命を削るほどの力って奴が、何の為にあるか。どうしてもやらないといけない時のどうしてもを見失ったら、お前まで帰ってこれなく成りそうだ」

「…………」


 なんか意外な言葉が耳に入ったからか、僕は目をパチクリさせてた。だってなんか心配されてる様な……


「何呆けてる。俺は天才だぞ」

「いや、そこは医者だぞ――だろ?」


 天才が誰かの心配をしなきゃいけない事はない。医者なら患者の心配をして当然だけどさ。


「ふん、まあ俺の目が届いてる限りは無茶をしてもある程度は構わんさ。お前の無茶があの子を助けられるのなら、お前の命も安くは無いって事だろう。

 その点は評価してやるよ。だからちゃんとこうやって診察してやってる。タダでな」

「はいはい、一応感謝しといてやるよ」


 今まで安い命と思われてたらしいことには触れないでやるさ。


「まぁ、後は微妙に心音が弱い位だが、まあ気にするレベルじゃないな。頭の中も、外から見ただけなら別に問題は無いな」


 う~ん、それってどうなの? 自分じゃよくわからないよな。心音が弱く成ってるってのは微妙に気になるけどね。呪いの影響かな? 

 リアルにまで進出してる位だし、何か影響が出ててもおかしくはないかも。


「今の所は体を休ませて置けと言う位か。まあだが、今入れないなら丁度良いな。せめて今日はゆっくりしておけよ」

「了解」


 そう言って僕は立ち上がる。そりゃあこっちだってゆっくりしたいよ。でもただそうしてるのも不安なんだよね。時間は押し迫ってるし……実際気楽に家に居るだけなんて出来るかわかんない。

 ドアの方へ歩いてる途中で、僕はそう言えば聞いて置きたい事があったのを思い出した。


「あのさ、あの向日葵って誰が持ってきたの? 摂理の方の花瓶にも入ってたから天道さんじゃないと思うんだよね」


 天道夜々さんは当夜さんとガイエンの知り合いの社長令嬢だ。あの人は当夜さんの花瓶には花を生けるんだけど、摂理の方には生けないんだよね。

 でもだとしたら……看護士さんが気を使ったとか? 


「ああ、それはきっと藤堂夫妻だろう。確か昨日訪れた筈だ」

「藤堂……? 誰?」


 僕は頭に疑問符を浮かべて聞き返す。だってマジ誰だよ。どういう関係なのそれは? 摂理とかって友達いない筈だろ。どんな関わりあいの関係なんだろう。


「元患者だよ。お二人は毎年、この時期だけ見舞いに来てるからな」


 元患者ね……だけどどうして摂理のお見舞いに来るの? 入院中にでも仲良く成ったとか? でもここって一般には秘密の筈……んな訳無くない?

 それに退院してもお見舞いに来るなんて、相当親しくないとしないだろ。


「夫妻とか言ってるけど、結構若いの?」

「まあ、二十代後半位だった気がするな。あんまり患者の事は話せんぞ。守秘義務があるからな」

「それは分かってるけど……気になったからさ」


 そんな年が近い訳でも無いよな。まあめっちゃ離れてるって程でも無いけど……やっぱりイメージが浮かばない。


「なんだ? 嫉妬か? 自分だけがあの子に初めて受け入れられた筈だったのに――てか?」

「はあ? 別にそんなんじゃない。勘違いすんなよな」


 何言ってるのこの医者。別に全然そんなんじゃないんだよ。そう……別にこれは嫉妬とかじゃ……むむむむ。


「そう膨れるなよ。器量が小さいぞ。二人は辛いだろうが、感謝をしてそして本当に願ってくれてるんだ。自分達の分までってな」

「自分達の?」


 良く分からないな。 それってなんかおかしくない? 助かってるのに自分達の分までって……それって辛い事を経験した人が、他の誰かに同じ様な目にあって欲しくないから言う言葉だろ。

 ちょっと違うよな。だけど医者はそんな僕の疑問には答えてくれない。これも守秘義務って奴かな。変わりにこう言って、締めくくりった。


「ああ……まあ、あんまり気にする事もない。もう一年は来られないだろうしな。安心しろよ。お前はきっと特別だ。

 それが良いことか悪いことかは、わからんがな」


 なんか含んだ様な言葉。医者はニヤリとしてるし……それは未来に自分で決めるさ。

 きっと摂理を助けれれば、良かったと思えるだろう。だからそんな未来を掴むために、頑張るだけだ。どうせならその藤堂夫妻の願いも背負ってさ。

 全く全然顔も知らないけど、願いは同じみたいだから。僕はドアをガラリとスライドさせる。そして廊下側に出て一礼。


「……ありがとうございました」


 最低限の礼儀を尽くして扉を閉めた。


(今度ここに来るときは、摂理を連れ戻してから……だったら良いよな)


 まあまずはクリエなんだけどね。心の中でそんな事を思いながら歩き出す。広い廊下だよ。そしてそれぞれの診察室の前には、次くらいに呼ばれる患者さんが椅子に座って待機してる。

 この中にはさ……命に関わる様な人も居るのかな? いや、流石にこの中にはいないか。そんな重病人を普通の一般診療室に通す訳ないよね。勝手なイメージで。

 僕は心の中でみなさんの病が治る事を、祈りながら広いロビーへ。するとそこには、秋徒と愛さんが居た。

 どうやら待っててくれたみたいだ。


「待ってたんだ。別に二人でデートに繰り出しても良かったのに」


 僕は二人の前に来るなりそう言った。すると秋徒の奴は真剣な顔してこういう。


「お前な、いきなり検査されると聞いてデートとか出来る訳無いだろ。そんな薄情な奴だって思ってるのか? だとしたら傷つくぞ」

「ははは、悪い悪い。でも全然大丈夫だからさ。ほんとデートしてきても良いんだぞ。愛さんだって二人の方が嬉しいでしょ?」


 僕はそう言って、秋徒の隣の美少女を見る。いや、年的に美女の方が良いのかな? まあでもギリ十代位だったろうし美少女でもいいのか。

 てか改めて二人を見るとさ……案外絵に成ってるんだよな。秋徒の野郎、実はオタクな癖して身長高いし、顔もムカつくけど良い方だからな。

 オタクの癖に結構モテてるもんな。無駄に尖った頭が男らしいっちゃらしいのかも。でも確かに似合っちゃ居るけど、何度だって思うよな。

 秋徒の彼女なんだな~って。街の床屋の息子が背伸びしちゃったな。絵には成ってるけど、服装はやっぱり残念だからね秋徒の奴。

 でもこのアンバランス差も、見方によっちゃ初々しい感じが出てるとも言えるか。なんかうらやま――とは思いたく無かったけど、愛さんじゃ思わざる得ないな。

 まあ協力したんだから、上手くは行って欲しいけどね。愛さんは僕の言葉に動揺したように視線を動かす。そしてはたりと止まった視線は、なんか自然と秋徒と目が合ってた。


「はわわっ……ええっと、それはイヤ……」

「イヤ!?」


 パッと視線を外した愛さんの言葉に引っかかる秋徒。まあイヤと言われちゃね。けど愛さんは弁明するようにこう言うよ。


「あの違うの。イヤって言うのはイヤじゃなくてね。勿論秋君と一緒に居たいけど――ああ、一緒に居たいなんて私、そんな大胆な事……」

「いや……イヤじゃないなら何の問題も無いって言うか、嬉しいって言うか……」


 何だろう……なんか花が二人の周りに散ってる様に見える。脳内お花畑だね。秋徒がバカみたいに浮かれてるのは承知の事実だけどさ、愛さんもそうだったんだね。結構常識人……じゃないか。

 そう言えば初めて会ったときから結構おかしな人だったよな。行動も面白いし、でもこうやって見たらやっぱりあのアイリとは思えないな。

 LROじゃもっとしっかりしてるし、ここまでデレデレしてなかった。まあ良いんだけどね。


「え~と、やっぱり僕はお邪魔みたいなんで帰るよ。後は二人でごゆっくり。ああ後、誘ってくれた事は感謝するよ」


 僕はそう言って出口を目指す。ほんともう、どう考えても僕はお邪魔虫の何者でもない。てか、自分的にこの二人に付き合ってるのは辛そうと思う。

 なんか常に悪いと思うじゃんこれじゃあ。だからさっさと退散だ。


「あ、あの、待ってくださいスオウ君」


 だけど何故か立ち塞がる愛さん。


「何ですか? 僕の事は気にせず、後は二人で楽しくやって良いんですよ」

「違うんです。そうじゃないんですよ。今日はそんな事をやるために秋君を誘った訳じゃないし、例えそうなら元からスオウ君は呼びません」

「……まあそうだろうね」


 そんな見せつけられる様な事されても、反応に困るだけだしね。まあもう十分見せつけられた感はあるけど。


「そうだぞスオウ。今日は俺達はイチャイチャするために集まったんじゃないんだから帰るなよ」

「でも既に役目は果たしただろ。摂理の見舞いはしたし、これからは自由時間だろ?」

「別に遠足じゃねーよ」


 ベタな突っ込みを秋徒にされてしまった。でも僕の見解ではここまでが、三人で会うための口実だと思ってたけどな。

 いっとくけどこの行動は、二人を思っての事なんだよ。


「てか、それなら三人で何するわけ? 遊ぶのなら、わざわざ僕は入れなくてもいいよ」

「だからそう言う事じゃないって言ってるだろ。この三人で共通の物って言ったらLROだろ。それに時間だって無いんだし、俺達は少しでもお前の役に立てる事をだな」


 なんだか秋徒の奴がクドクドと話始めちゃったよ。たく、こんな機会そうそう無いんだから、利用しちゃえば良いのに。どうせ自分からは誘い出せないだろうし、休みだってもう数える程しかないんだ。

 一夏の思い出を折角出来た彼女と作ったって、別に怒ったりしないっての。羨ましがってはみるけどね。


「――で、結局何するんだよ。LROはサーバーダウンしてるし、何も出来ないだろ?」


 秋徒が言い終わった所で僕はすぐさまそう言ったよ。それとも何かあるのかな? まあこの二人が、何も無く誘いはしないだろうけど……


「勿論出来る事があります。だからこうやってスオウ君をお誘いしたんですからね。スオウ君は携帯に、LROのアプリをダウンロードしてますか?」


 そう言って愛さんは自身の携帯を取り出した。上品な桜色した綺麗なスマホだよ。ホーム画面はなんか今、真っ黒に成ってるな。何も設定してないとか?


「これは違うんですよ。私のホーム画面は、アルテミナスを見下ろす感じの映像に成ってます。そう言う設定も出来るんです。

 復興の度合いとかみたいですしね。でも今はサーバーダウン中だからこんな感じなんですよ」


 なるほどね。てかそんな事も出来たんだ。でも流石はアルテミナスのお姫様。国を思ってるね。


「まあ一応、そのアプリは取ってはありますよ。てか、始める前に秋徒に取らされたし」

「ああそうだったっけ? よし、なら後は参加登録だな」

「参加登録?」


 僕は頭に疑問符を浮かべて聞き返す。一体何があるんだよ? 


「お前は折角取らせた物を活用してない奴だな。ちょっとアクセスしてみろ。サイトの方は大丈夫みたいだからな」


 そう言われて僕はアプリを開く。まあ様はLROの公式アプリ。イベントとか情報とかリンクとかが色々あるだけ何だけどな。

 別にLROの復旧ニュースはないけど……


「イベント情報に行ってみてください。今回はなんと初の試みが開催されるんです」

「初の試みって……LROが大変な時に良く出来ますね」


 中止とかが想像されるんだけど。僕はまあ一応イベントページへ。そこには確かに大々的にこんな告知があった。


『本日遂に開催! LROの街がリアルの街とリンクする!? これは実際の都市を使ったバーチャルリアリティの革新的イベントです。

 参加される方は参加登録を下記で済ませ、必須のアプリ「New World」をインストールしておいてください』

 第二百三十八話です。

 ようやく日常でもLROが進みそうな話。実はこれの為にここまでがあったとも言え……無くもないかな。本当はもっと小さなイベントの予定だったんですけどね。ニュースとか見て思いついたの。

 でもスマホならもっと凄い事が出来る筈。ってか、このイベントの為のアプリは普通にあります。スマホを町に翳して、その画面に色々と情報が出てくる奴です。それを応用しての今回のイベント。

 どうなるかはまあ次回で……ってな訳で、次回は火曜日に上げます。ではでは。

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