2356 前に進む為のxの問い編 740
「何やってるんですか貴方は!!」
「きゃ!?」
グン――となんか私の体が引っ張られる。それをやったのはやっぱりだけどオウラさんである。もうどんだけ元気なのこの人。実際もう動きっぱなしだよ。私は後衛だからそんなに動く必要もないが、この人は違う。どうやら会長に直談判して、一番槍を請け負ってるらしい。
真っ先に一番前で戦ってる。しかもそれで……
「凄い!」
「なんだあれ?」
「どんな動きだよ!?」
「いやいや、まるで月人が吸い込まれて言ってるように見えるぞ!?」
そんな風にこの場にいる皆さんがいってる。確かにオウラさんはおかしい。真っ先に月人の群れの中のつっこんでいって、そしてそこで倒れずに戦い続けてる。流石にひしめくようにいる月人にたくさんのプレイヤーが尻込みをしてた。でもオウラさんは嬉々として戦ってるからね。
あれが戦闘狂ってやつか。今はシスターの姿じゃないから、まだいいけど、あれでシスター服とか着てたら更なる狂気を感じちゃうよね。私はとりあえず少しずつオウラさんから離れていく。けど流石にこの数……ただいるだけで危険だ。なのでしょうがないから、私は既に目を使ってる。私のこの目は月で手に入れたものだからね。
月という存在にはなかなかに有効で、今の所月人は私を無視してくれてる。なのでソーとソーと私は外にむかって……するとオウラさんに言われた。
「私の中心に思いっきり叩き込みなさい!!」
それって魔法を? ってことだよね? 私が一人でするよりも合唱魔法とかの方がいいと思うけど……それを狼煙にするのを会長が許可してるってことだよね? 実際、野良のプレイヤーが怖気づくのは仕方ないが、テア・レス・テレスまでまだやってきてないのおかしいからね。しょうがない。きっと会長事、日鞠ちゃんにはなにやら策があるんだろう。
まあもちろん、私だってある。うん、ここで私が派手に一撃を決める……それであれがこれで、こうなるから……よし、完璧なプランが見えた。
なので私は詠唱を開始した。そして私が出せる最大級の魔法を放った。
「地獄の業火よここ――『月に届く静謐なる炎よ。溶け出すように降り注げ』――イーラム!!――ってえ?!」
その瞬間、魔法が発動する。雨のような銀色の炎……それが降り注ぐ。けどね……私こんな魔法知らないよ?