2353 前に進むためのXの問い編 737
「ふふ、あはははははは」
私の質問に妖精王はそんな高笑いをする。はっきり言って今回の月の侵攻……それは今や徐々に押し戻され始まってる。最初に勢いで押しきれなかったのが痛い。
いや、あの段階でこうなることも分かってたと思う。
「やはりというべきか……我らの邪魔になりそうな存在はあぶり出す事ができました。でもまだ負けてはない。そうでしょう?」
いや、私的にはもう負けていいんだけど……超大型の月人がやられたから、これであれも倒すことが出来ると分かって、きっと地上側は勢い付くだろう。それにゲートを使って人種の国にいたプレイヤーが残ってる方へと来るだろうし……そうなると戦力も増強される。
国を潰すのは既に無理ってことだ。このままだとこっちのコストがどんどん減っていくだけになる。地上側は月人が無限に湧いてくる……と思ってるが、一応こっちだってそれなりのコストを払ってるからね。無限ではない。
まあ通常の月人はそんなに高いコストじゃないから、実質無限だし、増えた通常の月人が現地で敵を一定数倒して勝手に進化をする分にはこっちにコストがかかることはない。
だから実際勝手に進化してくれるのはありがたい。けど流石にあの超大型の月人みたいなのは自然発生するわけない。いや、一応条件はある。でも厳しすぎて、実質不可能だ。だからあれはこっちで作って送り出してるわけだけど……はっきり言ってかなり大変だったのに……それを捨て駒のように扱うのはどうかと思う。
まあまさかあんなのを使うとは……とおもってるけど。
「女王よ。我らの月の光……それはあまねく地上に降り注ぐべきとはおもいませんか?」
「なにいきなり?」
別にそんな事はおもってないっていうか? こういう刺激的な出来事もゲームには必要だとおもうけどさ……自分自身が恨まれるのは願い下げである。
「消化試合になどしないということです。レシアを借りても?」
「危ないことは……てか寝てるんじゃない?」
レシアのことだから寝てるでしょう。あの子は三度の飯よりも睡眠欲のほうがあるからね。それに寝起きはわるい。怒っちゃうぞ。
「大丈夫でしょう。あれはあれで、自身を試したいと思ってるようでしたからね」
「まあ、レシアがそうしたいっていうなら、私が止める事はできないけど……」
「では、話をしてきます」
そういって妖精王はここから出ようとする。そして扉の前まで来ると、こっちを振り返るこういった。
「ああ、そういえば女王にも友はいるでしょう?」
なんだ喧嘩撃ってんのか?
「今のうちにお別れを告げたほうがいいかもしれません」
「なによそれ?」
なんにやら意味深なほほえみを浮かべた妖精王は扉を閉めていってしまった。やっぱりあいつ女王とか言いながら私の事バカにしてる。