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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2347 前に進むためのXの問い編 731

「目薬なんて持ってるわけないだろ」

「ふん……役立たず」


 私はボソッと聞こえない程度の声でそういった。けどどうやらエイル奴は耳ざとい奴だったらしい。


「あぁ!? お前な――」

「声荒げないで。瞬きするだけでダメなんだから」

「ぐぬっ……」


 今は私のこの力がかなめとなってる。エイルには私が何をしてるのか……それは全くわからないだろうけど、スオウは納得して行ったんだ。だからこそ、私が何かをやってる――というのは理解してるだろう。そしてそれがちゃんと有効に機能してるという事も……だからこそ、それを邪魔したら困ることになる。スオウたちもあの巨大な月人を倒せるかなんてわかんないが……でもあれを倒せないと、この町が……いやここは人種の国の首都な訳で……最悪人種の国が終わってしまうかもしれない。

 普通のゲームなら、流石にこんな大切な国が亡びる……なんてのはないだろう。ちゃんとうそういうストーリーならあり得るだろうけど、LROは大本のストーリーというのはほぼない。なにせ一人一人が自分だけの物語を紡ぐ――ってのがコンセプトだからだ。一人一人の行動の影響……それは普段は意識なんてしない。

 だって影響が波及してるのかなんて普通はわからない。けど実は……というのは沢山ある。実際誰も知らない所で重要なNPCが死んだとしたら、そっとシステムが復活させる……とかやってるかもしれない。でもこの国がもしもなくなる……とかなったら……その瞬間とかいまここに集まってる人たちが見ちゃうわけだからね。

 この首都が今日更地になったとして……次に入った時、もしも何事もなかったかのようにこの首都が復活してたら「あれ?」となってしまう。普通のゲームなら、そういうもの……と納得できるけど、今までLROに染まってしまったプレイヤーにはそれこそ違和感がマシマシになってしまうだろう。


 流石に最初に選ぶ場所の一つで、人種という種族の大国で色々なイベントやらクエストとかそんなのが膨大にあるような場所なんだから、なくなったりしたらとても不都合が多くなるのはわかる。だからここがもしもなくなってそのあとに復活したとしても違和感はあったとしても「しょうがない」と皆が思うだろう。


『流石に……流石にね』


 と、いうやつである。皆が暗黙の了解をしてくれる事案だ。けどなるべくそんな事にならないように……と皆が頑張ってる。そんな事を考えてると後方からたくさんの声が重なるような叫びが聞こえた。


「やりやがった」


 そんな風にエイルがいった。それを聞いたとき、私の役目は終わったと思って目を閉じた。賞賛を受けるのはスオウ……私のやったことは誰も知ることはない。ふ、これが陰の実力者ってやつだよね。まあけど……


(私だって褒められたいぃぃぃぃぃぃ!!)


 という気持ちはある。

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