2343 前に進むためのXの問い編 727
「確かに僕のはスキルじゃない……」
「それならどうして?」
そうリルレットちゃんにスオウが言われて視線が上へと向く。そこにあるのは空……そしてさらに高い位置に月がある。やっぱり月が関連してるって言いたいわけ? けど月人と相対してる間にどんどんと進行していく感じだったわけで、スオウが戦ってたのはでっかい超大型の月人だ。一体位を相手にしてるくらいではそんなに次々とスキルが封じられる……ってこともそんなにないって印象なんだけど……
(デカいから、もしかしたらもっと別のやり方で封印をしてる……とか?)
あの月人は規格外だった。それだけの大きさだった。だからこそ、通常の月人とは違う……と考えたらありえなくもないのかも。それにスオウが見るとしたら、月というよりもあの超大型の月人ではないの? なんで?
「僕は狙われてるみたいだ」
「狙われてる? ……ですか?」
「どういうことだよ?」
イライラとした感じでエイルがいう。するとスオウがこういった。
「個人的に月の光が追ってくる」
「は?」
ポカンという感じの声を出すエイル。私もリルレットちゃんも実際その言葉はよくわかんない。だって月の光がおってくるって……
「月の光がスポットライトみたいになってるとか思ってる? 大丈夫、スオウにそんなの当たってないよ」
私は親切心でそういってあげた。だって実際そうだしね。別にスオウにだけ月光が落ちてる……なんてことにはなってない。確かに自分の人生、自分が主役なのは間違いない。みんなそう思ってるだろう。だから、自分は輝いてる――と思いたいのもわかる。まあスオウはそんな奴じゃない……と思ってたけど。
どっちかという目立ちたくないみたいな奴だしね。けどどうやら主人公願望とかあったらしい。まあこいつの相棒というか、幼馴染が完全無欠の主人公してるけど……
「いや、別に願望とかじゃないからな。お前たちには見えないかもしれないが……僕にはわかる」
「はいはい」
そういうの、私もよくいうし。私だけに聞こえる声とかあるし! 私だけにしか見えない存在とかいるから!! けどどうだ? それを信じてくれたやつ何ていない。みんな痛い奴を見るような反応を返す。そんなの居ないって……そんな事はないってみんながいう。そして私は「変人」のレッテルを貼られるんだ。
なんとか周囲に溶け込もうとしてるスオウがまさかそんな事をいうとは……と思うけど、きっと私の事がうらやましくなったんだろう。私は誰にも屈してない。周囲とか社会に屈してない私に憧れるのはわかる。私から主人公の座を奪う気か?
「ふん、私なんてビカー! って月の光が降り注いでるわよ! 皆には同じように見えるもしれないけど、私にはわかる。あー、月光で日焼けできるかも」
私はそう宣言してやった。