2335 前に進むためのXの問い編 719
「なっ!?」
「なにあれ? キモッ!? キモいキモい!!」
そんなことをメカブは言ってます。この子は本当に騒がしいですね。静かに自分の役割をこなす……ということをできないのでしょうか? まあでも……気持ちはわかりますけど。確かにアレは気持ち悪い。虫とかを普通に素手でつかめる私ですけど、アレは流石に触れるのをためらってしまういますね。そのくらい気持ち悪い。
どうなってるのか……確かに私とスオウくん、二人の上下からの攻撃で長い超巨大な月人の頭を砕きました。それは間違いないです。けどそこに月ヘビが入っていったんです。
本当に気持ち悪い。まるでアレでは……『寄生虫』です。大きな体から、ニョロニョロとした月ヘビの胴体が出てる。そして……なぜかそのまま動き出しました。
「なんで動いてるんだよ?」
そんな風にスオウくんは言いました。でもきっと誰もが思ってることでしょう。それに……スオウくんはすぐに気持ちを切り替えて攻撃をします。でも駄目です。なんだか攻撃が効いてない? そもそもが……です。HPの表示がおかしい。
普通はHPのバーはカラーで見えてます。でも今はどうでしょうか? あの月人のHPはさっきまでは確かにカラーでちゃんと減ったり回復してたりしてたのが見えてました。でも今は違います。なんだか、灰色になってます。そして増えたり減ったりはもうない。
そういう次元じゃないみたいな……そんな感じになってます。
「これももしかしたら月の……」
「でも私だけじゃやっぱり月の光を遮るなんてできないんだけど!!」
どうやらメカブだけでは月光を遮るのは無理があったみたいです。詠唱が絶対に必要になるこのゲームの魔法。詠唱をしてる内に空に出したポイズンミストはやっぱり周囲に拡散していってしまいます。
そのせいで、いくらやっても完全に月光を遮る……なんてのは不可能みたいです。さすがに無茶だったみたいですね。でも多少は遮ってます。けどそれも常に繰り返し発動させ続けさせないとすぐに拡散していってしまうでしょう。
そもそもが多少月光が遮られたからといって月の影響が減少してるかも……今やわかりません。なにせもうこの眼の前の超巨大の月人にはHPの増減がなくなってる。スオウくんもこの現象には気づいてるでしょう。なので今度は首根っこから出てる、月ヘビの胴体をスオウくんは狙うことにしたようです。