2332 前に進むためのXの問い編 716
「私はただ見てるだけ? いえ、そんな事……メカブ行きますよ!!」
私はこっそりと誰かの回復薬を懐に仕舞おうとしてるメカブにそう声をかけます。やっぱりですけど「ええー」とかくしゃっとした顔でいうから、無理矢理引っ張っていきます。
「ちょっと、また転ばせるの? 流石に無理でしょ?」
「スオウ君のサポートでいいです。彼ならやってくれます」
「そうかな? みんなちょっと期待しすぎじゃない?」
そんな風にやる気を削ぐような事を言ってくるメカブです。そういう言葉一つで空気というのは変わるのだからもっと気をつかってほしいものです。そもそもあんな動きが出来るのなんてスオウ君しかいないんだから、彼が貴方の言葉でテンション下がってしまったらどうするのですか。まあ幸い、彼には聞こえてなかったみたいですし、よかったですけど。
ズドゥゥゥゥゥゥン! ドドーン! ドン!
超大型の月人の足踏み……それ一つで大きく地面が揺れます。建物が大体なくなってしまったせいで、飛べない私たちがこの超大型の月人へと攻撃できる範囲が足とひざ下くらいしかないです。建物があれば、それを伝ってまだ距離を稼げました。けど超大型の月人の叫びで周囲の建物はほぼすべて瓦礫と化してしまいました。
「サポートといっても、これじゃあ……どうする? 膝カックンでもねらう?」
「……それですメカブ!」
「え? まじ?」
きっとメカブ的には冗談だったんでしょう。ですがちょっと考えてみましたけど、案外悪くない。そう思えました。それにかなりのサイズの違いがありますが、膝カックンなら、関節が動く方に力を加えるわけで……タイミングさえ外さなければ、比較的成功率は高そうです。
ダメージなんてほぼ期待はできないでしょう。けど狙いはそこじゃないです。私たちがスオウ君の為に出来る事……大きな隙……じゃなくても、彼のスピードならわずかな隙を生み出すだけでやってくれるはずです。あとは……
「メカブ、天候操作とかできないのですか?」
「私にそんな大魔法が使えるとでも?」
説得力しかない!! 私でもやっぱりそういう範囲が広くて強力そうな魔法……メカブが使えるなんて思えないです。ゲームにあんまり詳しくないですけど、やっぱりですか。そもそもが絶対に詠唱が必要で、メカブは短縮詠唱も習得はしてない……となると、メカブの頭では長すぎる詠唱はかなり厳しいのです。
だからあんまり強力な魔法は……いえそうです!
「別に攻撃をする必要はないのです。月光を遮ることさえ出来ればそれで!!」
「それなら……」
あるのですか? ならそれをメカブには担当してもらいましょう。