2331 前に進むためのXの問い編 705
腕に移って、私はその腕伝いに上半身へと登っていく。腹では効果はなかった。私の最高火力のスキルだったんですけどね……けどやりようはあります。そんな事を思ってると、メカブが魔法を発動させた。青い光がこの巨大な月人に灯った。それはデバフの光だ。
とりあえず防御力を低下させる魔法を使ってくれたらしい。これなら!! 私は肩まで来たところでジャンプした。そしてまずはその顎を蹴り上げる。そもそもがその長い顔で私達を振り払おうとしてたらしい月人。その顎を蹴り上げることで私は危機を回避した。そして見える首。頭とかも確かに弱点ですけど、こいつの頭は大きい。
前々から私は気づいてた。月人は首が折りやすいって。私はそれこそスキル封じの対策が確立される前から月人との戦闘では何時だって首をひねって息の根を止めるようにしてた。
それが一番簡単に月人を無力化出来ると知ってたからだ。なにせ月人の頭は本当に大きい。ほぼその獲物を丸呑みできるような口が原因です。だからこそ、頭を支える首にはものすごい負担がかかってる。普通なら大きくなってるその頭が狙いやすいから誰もがその頭を狙うでしょう。
実際頭はどんな生物でも弱点ですし、間違いではないでしょう。けど、月人の頭はかなり頑強です。それにその口はやっぱり相当に強力。でも首には反撃する機能なんてのはない。
当たり前でしょう。だからこそ、私は首を狙う。無防備に晒された首。その一番顔に近い部分を私は狙って槍を突き立てます。
「はああああああああああああああ!!」
肉をえぐる感触が伝わってきます。さっきの腹ではなかった感触。確実に傷ついてる。どうやらメカブのデバフが仕事を知てくれたみたいです。それに場所もやっぱりよかったんでしょう。月人の弱点は首だと確信できました。けどそれでも、首もこの超大型の月人はそこらの木の幹よりも太い。私のたった一箇所付けただけの突いた傷ではかすり傷だ。
だからこそもっと深くに私は槍を押し込む。そして横に引き裂くつもりです。それによって頭を不安定にして、もう一度同じことをしたら、回復できないのなら、きっとその大きな頭を支えることはできなくなるでしょう。
そうなるとこいつだって戦闘どころではなくなるはず。けど……
「くっ、メカブ頼みます!!」
「はい!?」
超大型の月人が両手を向けてくる。私は抱えてたメカブを刺した槍に乗せた。そしてむかってくる両手を体で全力でふせぐ。バルブアップをして筋肉を膨張させて、体の何倍もある手を受け止める。一瞬にしてこの青い体が青紫になった。それだけ興奮してると言うことです。
そして私によって槍にしがみつくことになったメカブはこんな文句をたれてる。
「ちょっと!? どうしろっていうのよー!!」
――とね。