2324 前に進むためのXの問い編 698
「うわああああああああああああ!?」
「た、助けてええええええええ!!」
「ば、化け物おおおおおおおおおおお!?」
そんな声が至るところで上がった。それこそそれぞれの国の中心部でそんなことが起きるのだ。国の中心……そんな場所からいきなり月人が溢れてきたんだ。城とか宮殿とか、そんなところには精鋭……と呼べる人たちが揃ってるはず。それこそ王城勤務の騎士とかはそれこそ近衛とか呼ばれたりして皆が凄い鎧を来てたり、魔法を使うやつらだって一味違う高そうなローブを着てる……そんな奴らがいるはずだ。
プレイヤーたちもあの装備は一体? と思ってそれを手に入れたいが為に、その国の軍に所属をしてみたり……とかしてたやつだっていた。
事態は唐突。それでもそんな精鋭たちは勿論だけどそれだけ強い。だから最初に溢れ出した月人を個人でもほふれるだけの力があった。でも……それでも数が違った。それに近衛とかになると、一番の目的は王族の護衛である。現場に直撃するよりもまずは王族の保護……それのせいで一番月人が少なかったタイミングってやつで月の石を抑え込むことができなかった。次々に城や宮殿を埋め尽くす月人。
そうなると城の内部にいられなくなる。けど王様たちが城を追われるなんて屈辱でしかない。けどどうしようもなくて……遂には城の外にもでだす。けど普通は城という国の中心から敵が出てくるなんて市中の人たちは思わない。一応城内部の戦力にはすぐに通知してどこも対処はしてた。
けどどうやらこれまでの対策をしてても、その勢い……それにその時間帯が問題でここまでの事態になったといっていい。それはまさに深夜だった。誰もが寝静まった深夜2時ごろ……一番煌々と月が輝いてた。その時間帯はNPCもそしてプレイヤーだって多くの人は眠ってる。だからこそ、事態に気付くのも遅れたし、対処も遅れた。城が制圧されたのはあっという間だった……そしてそれから一番人が多い場所に月人が進出してきた。
ドドドドドドドドドドドドドドド――
その日、自室で寝てた男はそんな地響きに目を覚ました。
「ん? なんだぁ?」
眠たげな目をこすりながら上半身を起こす。そして周囲を寝ぼけ眼で見てたら……ドッカーン!! ――と壁が吹っ飛んだ。そして月光が大胆に家の中を照らす……そしてそのナニカ……の白い肌を浮かび上がらせる。
別の家では少女がクウクウと寝てた。同じ様にドドドドドドという地響きが聞こえてた。けどその子は「ううーん……なに?」――という風に起き上がるのも億劫で布団を更に深くかぶる……そして直後、ドッカーン!! ――と響く。それからは悲劇の始まり……その子を守ろうとした両親……父親がその化け物に掴まれてボキボキと嫌な音がする。
けどそんな中「に、逃げろ!」と血を拭きながらもいってた。足が笑って動けないその子。けどそんな子を母親が無理矢理引っ張った。けど……別の化け物が目の前に……
そしてこの事態は一斉にその時間帯にLROに入って活動してたプレイヤーによってリアルの方にも拡散されることになった。