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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2323/2705

2321 前に進むためのXの問い編 695

「フレンド登録をしましょう!」

「ええ!? いやそんな……」


 そんな事を会長に言われて思わず断る言葉が出る。だって相手はあの会長だ。いや見た目はただの女の子だ。見た目だけなら、まだ十代にみえるし、俺なんかよりも確実に年下だろう。けど実年齢的なところはわからない。はっきりいってどこもそうだが、大手のチームのリーダーともなると、やっぱり人間的にしっかりしてないと出来るわけもないだろうし、流石に十代とか思えないというか……それにテア・レス・テレスは最大派閥。

 それもスタート開始の初期からあったチームとかじゃなく、最近急に出てきて、そして他を一気にごぼう抜きにしていって頂点を取ったまだまだ新進気鋭と言っていいチームなんだ。そんな事ができるのはやっぱりリーダーの手腕……というほかない。LROが始まった頃からやってる古参とかなら、これまでの時間の積み重ねで自身の成長とか積み重ねてチームだって成長してきた――と思えるが、テア・レス・テレスは違う。

 なにせまだ数ヶ月程度だ。それなのに一気に天辺を獲った。それだけで、この眼の前の少女が只者ではない……ということを物語ってる。それに今回のことで確かに俺達は見た。彼女の凄さって奴を。戦闘面は正直よくわからない。けど大手のリーダーともなると、人間関係を保つほうが大変だろう。俺達はいつもワンパーティーだから、気楽なものだが、最大手ともなるテア・レス・テレスならきっと数百……数千のメンバーがいるはず。


 流石にそのすべてをまとめてる……ってことは無いと思うが、でもじっさいこんな唐突に招集をかけて、ちゃんと集められるだけには把握してるんだ。それに……集まった皆さんはちゃんと会長の言うことをきくし……それだけでお飾りとかじゃないとわかる。ちゃんと一人ひとりと良好な関係を築いてるんだろう。

 凄いことだ。だからこそ……俺達なんかと……というのがある。てか普通に去っていくとおもっていた。だって俺達にはテア・レス・テレスと縁を結ぶと得だけど、向こうには俺達のようなそれこそ弱小みたいな奴らと縁を結んでもなんの特もない。だから向こうからこんな事を言われるなんて思ってなかった。


(俺達なんてただLROを楽しんでるだけのエンジョイ勢なのに……)


 きっと俺達は会長に何かをもたらす……なんてことはない。今回たまたま知り合った事をいい思い出に、それを時々自慢して生活するような……これっきりの関係性がふさわしい。自分でもそう思ってる。皆に視線を向けても、流石に「やろうやろう!」とノリノリのやつなんてのはいない。

 皆流石にテア・レス・テレスのトップともなる人物には気後れしてる。


「どうしてですか? 私がテア・レス・テレスのトップだからですか?」

「それは……まあはい」


 きっと会長は察してるだろうから、素直にいった。実際会長じゃなくてもその部下にでもフレンド登録させても良さそうだけど……本人ってさ。


「私もただの一プレイヤーです。損得なんかじゃないです。ただせっかく知り合えた。その縁を大事にしたいんです」


 むむむ……そんな風に言われたら、断りづらい。でもとりあえずこれだけは言わないと……


「えっと俺達は別にテア・レス・テレスに入る気は……」

「そんなのは気にしないでください。ただ個人的に私が友達になりたいんです」


 どうやら別にこうやってテア・レス・テレスの人数を増やしる……ってことじゃないらしい。まあそんな事する必要も今やないだろう。俺達は大手特有の決まりとかには縛られたくはない。けどどうやらそういうことじゃなく、個人的に……ってことらしい。まあ流石に文面通りに受け取るには俺は薄汚れた大人になってしまってるが……けど仲間たちはそれなら……という空気だ。


 と、いうことで、俺達は会長とフレンド登録をした。

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