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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2319 前に進むためのXの問い編 693

 あれからこの里から月人がいなく成るのは早かった。なにせ会長が的確に指示をしてるのだ。それにテア・レス・テレスはスキル封じに対してちゃんとした対策をとってた。なので、もう、数の利がなくなった月人はただただ数を減らしていくしかなかった。やっぱり終わりが見える……というのは精神的にも負担が全然違う。


『あと少し』


 そう思えれば、腹の奥から元気を引っ張ってこれる……そういうものだろう。走るときだってそうだと思う。途中までは辛くても、ゴールテープを見たらペースを上げてしまう――きっとそんな気持ちだ。テア・レス・テレスは頑張った。そして今……俺達は里の人達の墓を作ってた。

 オブジェクト化して消えるのはプレイヤーだけで、現地の人たちの死体は普通に残る。まあ規制の問題だろう、血は見えなくなってるけど……でもこの里には死体はなかった。一つも……だ。それに血の表現は規制が入ってるLROだから血の跡とかも見えないから、里自体はまっさらにきれいな感じである。まあ何棟かの建物は壁が破壊されてたり、崩れてたりしてるが……でもそれだけで、この里で凄惨な事が起こった……とは思えない綺麗さだ。


 これがリアルで起こったのなら、田舎町がある日突然、忽然とそこに暮らしてた人たちが消えた……とかいうセンセーショナルな報道に成るだろう。だって血とかは見えないのに、まるで一日にしてそこに暮らしてた人たちが消えたって事情が知らない人たちから見たら見える。神隠しだ。それも子供がひとり消える……なんてものじゃない。街全体でそれが起こった……みたいなことだ。

 まあもしかしたらプレイヤーには血が見えないが、現地の人たちにはちゃんと血とか見えてるのかもしれないけど。月人を倒し、この里のもとからあった墓地の場所に、遺体もない墓を俺達はつくった。とりあえず死体とかはないから、手頃な感じの石を立てて、墓に見立てたものをきっとなくなったであろう人たちの数だけ……そしてちょっと立派な石積の建造物的な物をテア・レス・テレスの人たちが皆でつくった。


「死体が無いのって……月人が食べたのかな?」


 ユズがそんな事をポツリといった。あの見た目なら、実際人を丸呑みとかしそうではある。でもこの村は小さいとしても、百人未満くらいの人はいたとおもう。その人達の大半を月人がくった? それかもしかしたら月に送ってる……とかそんなことがあったり? 


「近くの街まで護衛します。他の生き残りの方達もそこに居ますから」


 会長が丁寧にそういった。俺達は皆でその作った墓に手を合わせてそれから、どうするのか? って事を里の生き残りの人達に聞いたのだ。確かに既に月の石はテア・レス・テレスが回収した。一応会長さんはそれをこの里の生き残りの人達に「どうしますか?」と聞いてはいた。

 もしかしたら高く売れたり……するかもしれないし、ずっとあの遺跡を管理してきたのは里の人達なんだ。だからその所有権は里の生き残りの人達にある――ということだった。他のプレイヤーなら戦利品だし、そのまま何も言わずに持ち帰りそうなものだが、そこはさすがはテア・レス・テレスのリーダーなんだろう。ちゃんと義を通す人だった。


 けど生き残った人たちはそれを受け通ろうとはしなかった。まあそもそも見た目はなんかちょっときれいな石でしかないからね。それにこの騒動の原因になったもの……となったらある意味この里の人達にはこわいってこともあると思う。だから月の石はテア・レス・テレスが持っていくことになった。俺達にも会長は聞いてくれた。けどボスを倒したのは彼らである。俺達には所有権はない。だから会長に譲った。

 俺達は別にこの戦いで得ること何もなかった。けど後悔はない。ああ、いや……違うか。セインだけは好みのショタを得てたな。

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