2317 前に進むためのXの問い編 691
「ど、どうぞ!」
「タオルもあります!」
「マッサージしましょうか?」
「二人ともお姉ちゃんと言っていいんですよ?」
俺たちはやってくるテア・レス・テレスの人たちを持てなそうと色々とやってた。なにせ……だ。なにせ俺達はアレから戦わなくていい立場になってしまった。一応この里の生き残りの人達を守る……という名目を与えられているが、それってただの建前である。
だってここに通じる道はひとつなんだ。いきなりこの奥で月人が湧くでもしない限り、俺達がこれ以上戦闘をする必要なんてのはきっとない。でもだからってぐうたらやってていいのか? ってなるじゃん。なにせテア・レス・テレスの人たちは俺達の要請に応えてここまで来てくれた。
そして月人にスキルを封印されて使い物にならない俺達の分までもこうやって戦ってくれてる。なら俺達だってなにかやらないと。それの答えがこれだ。こうやってやってきたテア・レス・テレスの人たちを持てなす。このくらいしか出来ないから。
「まだ?」
「そうだね。もうちょっと我慢しててね」
そんな女の子の疑問にセインはそうやって答えた。ときどきああやってあの子は質問をしてくる。やっばりずっとこんなところに閉じ込められてるから息苦しいのかもしれない。確かに早く外の空気を吸わせてあげたい。
けど、それからもきっと変化はある。なにせもうこの里は……彼女たちもここから離れることになる。いきなり生まれ育ったところから出なくちゃいけなくなるとか……こんな小さな体に受け止められることだろうか? それに……だ。もしかしたらだけど、この子は沢山の人が死んだところだった見てるかもしれない。
あんなに心なさそうな感じにみえるが……もしかしたらそれは、今だから……かもしれない。本当はあの子もこの事件まではもっと感情豊かだったかもしれない。けど、ショッキングなことが目の前で起こったから、心を守るためにあんなふうに全てに対して心を閉ざした様なリアクションになってるのかも……
だって月人達はこの遺跡から発生してるんだ。そしてきっとあの太鼓の所で彼女たちは儀式とかやってたんじゃないんだろうか? そこにいきなり月人がやってきて、
その場にいた人たちは襲われたはず。当然、そのときの光景をあの子はみてるだろう。
心が痛む。あんな小さなこが……あんなふうになってしまうような心の傷を受けてしまったんだ。
「私達は……助かるのかな?」
「それは勿論」
「でも……月が……」
「月?」
何やら彼女ヨヨちゃんはそう言って頭を抑える。そういえば彼女は儀式で中心というか……そんな役目をおってたっぽい。そしてこういう田舎の儀式って胡散臭いというか……ぶっちゃけ生贄……みたいな儀式が多かったりしないか? そんな嫌なイメージある。じゃあ何に子供を捧げてたのか……
(月……)
に捧げる儀式をやってた?