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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2314/2702

2312 前に進むためのXの問い編 686

「近くって言っても……」


 いやその可能性はある。なにせ……そう、これまでこの遺跡を進んでくる中で、壁に隠れた通路というのはあった。そしてどうやら別にこの月人達はこの遺跡にあふれてるわけだけど、この遺跡を把握してるわけじゃない。まあそもそも月人にはそんな知能がないだろう。彼らはただ人を見たら襲う、それだけだ。だからこの場所にもあるかもしれない。見えない通路……いやもっと別のなにかかもしれない。


「ちょっと強引ですけど」


 そういって彼は小さな銃を取り出した。


「それは?」


 思わず聞いてしまった。なにせ彼の武器はそれじゃない。いや、彼が戦ってるところは見てないが、少なくとも多分その銃がメイン武器ってわけじゃないだろう。だって普通は武器は帯刀してる。彼もそうだ。ちゃんと腰に剣をもってる。制服をそろえてるから、テア・レス・テレスは武器もそろえてるってわけじゃないらしい。

 そんな中取り出した小さな銃。それは本当に小さい。なにせ手のひらに収まる程度の銃だ。流石に実はこれがメインなんです――って言われても信じられない大きさ。魔法と剣の世界ではあるが、銃だってある処にはある世界だ。流石にリアルの最新式ってものではないが、普通に戦えるような銃はある。でも……さすがにこんなに小さいのは見たことない。小学生用か? というようなサイズ感。


「これは特注の銃です。特定の場所で使えるんです」


 そういって彼は自身の額にその銃口を向けた。その様子に俺たちは「え?」となった。そして迷わず彼は引き金を引く。パン――という音というか、バシュ――っていう音がなる。するとなんか――ジジジジ――と彼の姿がぶれだした。オブジェクト化してる? いや違う。もっと中途半端だ。完全にオブジェクト化してるわけじゃない。オブジェクト化するときはプレイヤーが死んだ時だ。けど流石にあれで死ぬわけないだろう。

 即死系の効果がついてるのかもしれないが……そういうのは確実に即死効果が発動するってわけじゃない。即死効果の発動確率はどんなゲームだって低いものだろう。それはLROだって変わらない。でも彼は確信してた。そうみえた。なら確実にああなるとわかってたんだろう。


 半オブジェクト化というような状態。


「――夫、――は――――す」


 何やら彼は言ってくれてる。けど伝わらない。俺たちの? って顔を見たからだろう。喉を触る彼。それからどうしようもないと判断したんだろう手を挙げて笑顔を見せる。きっと「大丈夫」的な事を言ってるんだろう。そしてそのまま彼は歩みだした。すると一瞬消えたり、そう思ったら次はちょっと先に出てきたり壁を歩いてたり、天井を歩いてたり……なんかバグ? のような挙動を彼はしてた。

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