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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2313/2702

2311 前に進むためのXの問い編 685

「はは、ああやってればきっとあの子も安心するんでしょう。大切なことですよ」


 そんな事をテア・レス・テレスの人は言ってくれた。確かにあの子が戦いのなか、パニックになったりしたら面倒ではある。それを防ぐためにもセインが手を繋いであのショタの心が安定するのなら、それはいいことなのかも……しれない。まあ一人だけ楽をしてるのはどうかと思うが、でもテア・レス・テレスの人たちはそれを許容してる。

 なら俺達だってセインにはショタをまかせるしか無い。それに……みなさんが強いおかげで、そんなに大きなダメージを受けるってこともない。俺達は進む……どんどんと。更に奥……いや音の鳴る方へ。そしてたどり着いた部屋……そこは部屋というよりも……集合場所というか、上に行く階段と、四方に伸びる通路……それの集合場所。そしてそこには舞台のような壇上があって、そこに太鼓があった。でも……そこには誰にもいない。けど……そこでなぜか誰も居ないのに、太鼓がドンドンと鳴ってる。


「これって……」

「誰かが魔法でバチを操作してる?」


 バチだけが動いて太鼓を叩いてる。同じような動きだけをしてて、それは複雑そうな魔法ではない。けど……既にそれなりの時間が立ってるのを考えると、もしかすると結構高度な魔法なのかもしれない。NPCで、それにこんな辺境でこんなことができる人がいるとは驚きだ。

 

「もしかしたらこれをやった人は既に脱出してるのかもしれないですね」

「あ、そっか。確かにこれでこっちに月人を引き付けて、その間にって……いえ、でもそれは厳しいかもしれないです」

「どうしてだい?」


 そんな疑問に俺は答える。


「いえ、もしもこれで月人を集めた間にってなったら、多分だけど俺達が入って来た涸れ井戸……あそこが一番の候補でしょう。けどあそこは俺達が使うまででかい岩に塞がれてました。流石に井戸の中の方からどうにかできるなんて……それに音がしてから俺たちも動き出したから、その気ならあの井戸の所で鉢合わせてないと……それはなかったんです」


 それなら簡単でよかったのに……そう思う。あのとき、この魔法を使った人が井戸の方へと来てたら……俺達と合流してそのまま井戸から出て逃げる……それだけで良かった。けどそうはなってない。なら別の場所からでた?


「正面……は流石に月人と全く合わずに出るなんて不可能でしょう。なら他にも涸れ井戸のような場所があるとか……」

「いえ待ってください。私達は一番近くの街から来たんです。その道中でも誰も……いえ、あなた達が助けた人たち以外は見かけてません」


 そんなテア・レス・テレスの一人の声。確かにそのとおりだ。もしも既に脱出してるのなら、ここに改めて来る途中、ヴァレル・ワンで疾走してるときに見かけてておかしくない。けどそんな事はなかった。むしろあのとき、あのショタを追いかけるために別れたあの里の生き残りの人たちとはあってるんだ。そして見たのもその人達だけ……


「やっぱりまだ近くにいるのかもしれない」


 そう、テア・レス・テレスのまとめ役の人は呟いた。

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