2299 前に進むためのXの問い編 674
それからヴァレル・ワンで森の中を爆走して、俺たちは隠れ里へほんの数十分で戻ってくる事ができた。そして……濃い霧の谷間にあるその隠れ里にはまだ――
ドン! ドドドン! ドンドン!!
――と太鼓の音がまだ響いてる。
「この音……」
「はい、この音がきっと生存者がいるってことだと……」
「……」
この集団のリーダーであるその人に俺はそう説明した。まさかまだ音がなってるとは思ってなかった。いや、多分まだ十五分くらいしか経ってないし、おかしくはない? いや遺跡には月人が溢れてる筈だ。それなのに十五分も無事ってかなりすごい。何やら彼女は考えてるみたいだ。けどすぐに笑顔を見せてくれた。
「そうですね。まだ希望はあるようですね。良かった。ちょっとまってくださいね」
そう言って彼女は自分たちのチームメンバーに話にいった。すると……だ。俺たちをここに率先して運んでくれた、それこそ最高のドライビングテクニックを持った人たちがポッケから紙を取り出した。そして彼らは一斉にこういった。
「「「それでは会長、ご武運を!!」」」
「はい、助かりました」
なんかそんな事をいってる。どういうことだ? と俺達は思った。なにせこれからだ。これからがむしろ本番といっていい。これから遺跡に入ってこの音のなる方へと向かう人達と、そしてボスに挑む人たち……そう分かれる予定だ。そしてあのデカい月人はきっとアライアンスで挑む感じのボスだ。かなりの人数が必要と思われる。
確かに彼らは今やLROで一番のチームだ。けど個々の力で言えば、並ぶところはあると言われてる。なにせここの特徴は何者も拒まない……ということだから。
それなのにあんな凄腕の人達を返してしまうのか? そんな事をおもった。けどそんな文句なんて言えるはずが……俺たちはなにせ弱小チームだ。いや、気が合う仲間たちと冒険を楽しんでるだけのエンジョイ勢なだけで、劣等感なんて感じる必要なんてないんだが……
「待って! 遺跡の中には強力な月人たちが居ます! 人数は居たほうがいいです!」
おおう、セインはどうやら食って掛かるようだ。すごいな。まあこの中で一番あのショタを助けたいと思ってるだろうし、セインも必死なんだろう。でも俺たちはそんな事をいって彼らが気を悪くしたらどうしよう……と思った。でもどうやらそんな心配はいらないらしい。
「わかってます。人数は何も変わりませんよ」
そんな事を彼女はいった。そして次の瞬間、紙を胸に押し付けた人たちは何かを呟いた。すると……だ。するとなんとプレイヤーが入れ替わった。さっきまで俺たちを運んで来てくれた人たちではなくなって、全く別の人達になったのだ。
それもなんか強そうな……そんな人達だった。