2298 前に進むためのXの問い編 673
「凄いな……」
「ああ、本当に」
俺の言葉にベズの奴が反応してる。俺たちは今、既に街を出て、あの隠れ里へと向かってた。なにせあの後、すぐにあの人は動いてくれた。そして物の五分……いや、三分だったかもしれない。それだけでこの人数を集めてくれた。その数は50人である。おかしい。普通いきなり声をかけたとして二桁も集まるだろうか? いや、俺たちのように五人なら、一人で一人を召喚すれば二桁に届く。けど彼女の場合は違う。たった一人しかいなかった。いや、実は知り合いと共に、あの町に来てたみたいだが、その指示を出したのは実際彼女だ。
彼女の鶴の一声……うん、まさにそれだ。そんなのなんて、それこそ大昔にしかありえないような……そんな事で一体何人がこの現代で集まる? きっと社長とか政治家とか……そんな人がもしかしたらできるかも? くらいだろう。それでも50人は難しいんではないのだろか? それに……だ。俺たちはその移動手段にも驚愕した。
今ならやっぱり早く移動するならヴァレル・ワンだ。大会は終わったけど、普通にもうプレイヤー間には溶け込んでるし、さらに言うとあの大会は俺たちプレイヤーだけに向けたものではなかったらしい。各国へのPRも兼ねてたみたいだ。なので色々な国が自身の国でヴァレル・ワンを採用し始めてる。まあけど今はそんなことはいいだろう。
俺たちも今そのヴァレル・ワンへと乗ってる。けど深い森へと進むのだ。流石にそんな場所を……と思うだろう。リアルだって森の中を走るのなら、ちゃんとした道がないと無理だろう。なにせ目の前に木があったらどうする? きっと止まるのは自動車の方だ。ヴァレル・ワンだってまともに木々にぶつかったりしたらヴァレル・ワンの方が大破するだろう。けどなんと、そこを凄いドライビングテクニックで無理やり突破してた。俺たちも自分たちのヴァレル・ワンはあるが、流石にこんなことはできないから、あの町においてた。そして今もそうだ。
俺たちは一台で二人乗れるヴァレル・ワンの後方の席に乗って、森を爆走してる。確かにこのヴァレル・ワンを生み出してそして広めたのは彼らだ。でもだからって……こんな凄腕ばっかりなのか? 恐ろしい。リアルならこんな猛スピードで整備もされてない森を爆走するなんて自殺してるようなもので生きた心地なんてしないだろう。
いや実際、LROでもさすがにこれは事故したらLROでもただではすまない。最初はそれこそ「スピード出しすぎ!」と思ってた。ヒヤヒヤしてた。けど今はもうそれもない。大丈夫だとわかったからだ。今は一刻も早く、あの里へもう一度……その気持の方が強い。