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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2295 前に進むためのXの問い編 670

「ぬおおおおおおおお!!」


 フォッチャの奴が俺を止めてくれた。それによってなんとか俺はこのフィールド外に落ちることはなかった。でも安心してる場合じゃない。さらにでっかい月人が追い打ちをかけてくる。今更だが、あのでっかい月人……かなり早い。あの巨体でこの速さ……なかなかにずるい。既にHPは黄色いところまではいってる。これでは本当に俺以外なら一撃でやられておかしくない。

 あいつを何としても止める――向かってくるでっかい月人に向かっていく。俺は再び盾で月人の拳を受け止めた。けど次の瞬間……バリーンと俺の盾が砕けた。そして月人の拳が再び体にぶつかる。


「ぶっ――」


 あっ意識が……


(あははは……あははは……ピコ、待てええええ。ほらー、こっちだぞー。あはははは、あははははは)

「は!?」


 意識が途絶えてた一瞬。俺は何かを見てた? なにかとても懐かしい記憶で、そして幸福な場所にいたような……そんな気がした。俺はどうやら飛んでる。横にではない。上にだ。でっかい月人は俺を上方向に飛ばしたらしい。横に飛ばしたらフォッチャの奴に止められたからかもしれない。俺はHPを見る。もうほぼなかった。ほぼというのは九割である。いや99%と言い換えてもいい。

 つまりは俺のHPは1だ。体は重く、息が荒くなってる。それに視界も狭い。なんとかタンクの基本スキルで一日一回だけ絶対にHP 1で生き残るってのがある。実際ジョブなんて概念がないからとろうと思えばだれでもとれる。一日一回だが、1で生き残ることが出来るのなら、もしかしたら……が生まれる。だからこそタンクなら絶対に必須だし、そこらのプレイヤーだってできるなら取るべきと言われてる。

 でも特定の盾の熟練値を上げないといけないから、もしかしたら今はそんなにこれを持ってるプレイヤーはいないかもしれない。なにせ盾は熟練値が稼ぎにくいのだ。武器なら戦闘をやるたびに熟練値はたまっていくが、盾はそうじゃない。ちゃんと盾で受けないとだめだし、その攻撃が一定以上強力でないと熟練値としてカウントされないらしい。

 だから盾関連のスキルを得るとなったらなかなかの苦行になる。まあそんなのはいいだろう。今はこのままでは結局やられるってことだ。そう思ってると優しい光が俺を包む。これはセインの回復魔法……ありがたいけど……これはまずい。

 なにせ俺たちはまだまともにあの月人に攻撃をあててさえいない。いや残りのみんなが攻撃してるのか? 視界が狭くみづらい……けどあの月人はデカいから見える。暴れてるのがわかる。それこそサルが地面をたたいてウキーウキーやってるような……そんな行動をしてる? そしてジャンプした。次の瞬間、何かが俺に当たった。それによって俺のHPは回復してた分も一気になくなって体がオブジェクト化して消えていく。


 勝負にもならない……俺たちは完全にこのでっかい月人に負けた。

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