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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2289 前に進むためのXの問い編 664

「ふー、ふー」


 なんとかショタは岩を持ち上げてる。ほんの少し……それこそ数センチだが確かに持ち上がってる。そしてノッシノッシと移動して、近くに岩をおろした。けどショタはその態勢で固まってる。そしてその体がらでてた湯気が一気に周囲にも吹き出すようにプシューとなって、それが収まると体が赤くなってたのも収まってきてる。そう思ってると、ふらっとショタの体が揺れた。

 するとそんなショタの傍にいたセインが彼を受け止める。そのショタはどうやらセインの胸に後頭部を預けたみたいだ。うらやま……ではなく、まるで捕食者に囚われた草食動物の様に見えてしまう。


「お姉さん……ごめんなさい」

「ううん、よくやったね」


 そう言ってすべての力を使い果たしたようにショタは気を失ってしまったらしい。まあ確実におかしな力を発揮してたし、その反動が来たんだろう。ショタはセインに任せとけば問題ないはずだ。食われない限り……まあ流石に昼間から食いはしないだろう。そう思いたい。なんか傍から見たら頑張ったショタを優しく抱きかかえて褒めてあげてるいいお姉さん……にみえる。けど俺たちはセインの正体を知ってる。あいつは今、「グヘヘ、ショタ最高」とかおもって、ニヤけてるだけだ。あんな聖母の様な笑顔をしてるが、その内心は欲でまみれてる。間違いない。


「おい、リーダー」


 そんな声を掛けられて俺は井戸に近づく。先に近づいていたベズ達と共に井戸を見ると、暗闇が広がってる。流石に下までは見えないが、水が張ってるようにはみえない。そもそも使ってたら、あんなデカい岩で塞いでるはずがない。


「どうだった?」

「石を落してみた。硬い音がしたし、枯れ井戸なのは間違いない」

「やっぱりか」

「よし、俺が先にいく」


 井戸の縁に足をかけるベズ。真っ先に飛び込んでくれるんだろう。気を利かせてこの井戸にハシゴがある……なんてこともないし、飛び降りるしかない。リアルなら井戸に飛び降りるなんて出来ない。けどここはLROだ。この程度は出来る。問題はショタだが……ここにおいていくなんてことも出来ないだろう。なにせここは外だし、モンスターに襲われる可能性がある。

 だからってセインがショタを担いでここを飛び降りるのはリスクがある。俺たちは自信がある。セインだって一人でなら問題なんてないだろう。けど、ショタを連れて……となると、負担が大きい筈。井戸に降りるときくらい俺たち男性陣がやったほうがいい――と思ったんだけど。


「おい、飛び降りるからその子を……」

「嫌。私がやる!」


 そんなことをいって聞きやしない。どうやらもうこのショタは自分の物……と捉えてるらしい。ショタはお前のものじゃ絶対にないが、ここで言い合ってても時間の無駄だ。というわけで、さっさと井戸に飛び降りることにした。井戸の底は暗いが、先に降りたベズが札を使って光源の魔法を使ってくれた。だから後から飛び降りる俺たちはそこまで恐怖はなかった。

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