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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2276 前に進むためのXの問い編 651

「撤退する。逃した人たちに合流して俺たちが護衛するんだ。そして一人でも多くを生き残らせる」

「ここは放置するってことだな」

「奥にはお宝でもあるかもしれないわよ?」


 俺の提案にチームのフォッチャとユズがそんなことをいってくる。確かにここには隠れ里だ。『何か』があってもおかしくない。それはとても貴重な物……だったりするかもしれない。それに祭事をやってたわけで、祭壇とかがあったら、そこにはこの里のお宝……とかが祀られたりしてるかも……こうなった以上、もうこの里が終わりなのは間違いない。なら、それをもらっても……となっても全然おかしくないかもしれない。


 いや、実際普通のRPGとかでは壊滅した村やら街やらからお宝を貰う……なんてのはよくあることと言える。でも……ここはLROなんだ。たとえ……だ。たとえもしも、ここにそんな物があったとして、それをそのまま持ち逃げできるか? というね。

 いや、出来る奴はいるだろう。この里が壊滅した後にたまたまここを知ったプレイヤーとかが奥にいって、それを見つけたりしたら、それはしょうがないと思う。

 けど俺たちは違う。確かにここには今日ついたばかりだ。仲良くなったNPCなんてのも別にいない。けど……それでも……俺たちは悲しんでる人たちをみてる。絶望してる人たちの顔をその目に焼き付けてしまった。それなのに、ここにゆかりのあるものを関係ねえ!! っていって自分の物に出来るか? といえば、そんなわけない。

 きっとこのまま奥にいって、もしも何か貴重な物を見つけたとしても、俺はきっとそれをここの生き残りの人たちへと返すだろう。それはゲームとしては間違ってるのかもしれない。

 でもきっと……人としては正しいと思う。だって普通のゲームでは人の家に入って物を盗むなんてのは当たり前に出来る。まあそれで盗む判定になるゲームもあるが、簡単に盗む――という選択肢がでてくる。

 けど普通は……リアルに生きてたら、誰かの家に行った……いや個人宅じゃなくてもいいだろう。お店にはいったからって盗むという選択肢はよっぽど切羽詰まってないとないだろう。

 それと一緒だ。LROではゲームである普通の選択肢が取りづらい。それは……きっと俺たちプレイヤーもこの世界に生きてるから……だと思う。

 結局画面の向こうのゲームでは、たしかに冒険してる感じは味わってた。でも、特別すぎたんだと思う。結局俺たちは画面の向こうの世界では生きてはなかった。

 だからこそ、普通なら倫理観とか道徳観で抑制されるはずの行為が当然の様に出来た。それはやっぱりどこかその画面の中の世界が自分とは関わりがないからだ。

 リアルで盗みをしないのは、自分にもリスクがあるからだ。


「今しかチャンスはない。それに俺たちだけで遺跡を踏破できるとは思えないしな」

「それはそうだけど……ちょっともったいないかもしれないじゃん」

「全滅覚悟でお宝に確保に向かいたいってことか? あるかもわかんないのに?」

「そんなのに付き合ってられない」

「はいはい、リーダーの言うことに従いますよ。きっと俺は今ハイになってるんだ。調子乗ってますよ」


 そんなことをいいつつもフォッチャもわかってくれた。実際俺だってハイになってる。だって一時的にでも月人に耐え忍んだんだ。これはすごい。もっと行けるかもしれない――そんな風に思ってしまうのも仕方ない。

 けど流石に俺たちだけで遺跡を攻略するのは無理だ。ここはなるべく里の生き残りをサポートする……それがきっと最善。俺たちはその場から離れて、里から逃した人たちに合流することにした。

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