2261 前に進む為のxの問い編 636
「これって……」
「この城には自動修復機能があるのでどんなに破壊されたとしてもこの城が崩れることはありません。ご安心してください」
「ふーん。けど無暗に壊す必要なくない? レシアも……らしくないよ」
「ごめん……」
私はとりあえずレシアをいさめとく。だって確かにこの月の城は自動修復機能があるのだろう。それがシステムの機能なのか、それとも魔法的な技術で出来てるのかはしらないが、だからって身勝手な力でバンバン壊してたらダメだろう。
せっかく綺麗な城なのだ。なるべく綺麗に使っていきたい。実際、この城だけなら、私は結構気に入ってる。お城にあこがれない女の子がいるだろうか? いやいない。だって女の子は誰だってプリンセスにあこがれるのだから。
それは私だってそうだ。まあ今の私の立場がプリンセスなのか? といえば微妙ではある。なんか王だし……女の子だから王女だね。でもだからってなにかやれるわけでもない。王としての権限とか……あるのかな? 確かに私は玉座に座ってるが、色々とやってるのは妖精王だ。
「すみません姫。彼女を責めないでやってください。彼女は姫をまもるために、その力をきちんと把握しようとしただけなのです。そしてそういうのは裏でやるもの……と思ってるのでしょう」
そんな事を妖精王は言ってくる。てか全部言ってくるじゃん。そんなこと言ったらまたレシアが切れちゃうぞ。まあけど、そんなに私の事を思ってくれてたのはありがたいけど。
「レシア……」
「今は私しかいないから……面倒だけど……仕方ない。だってセツリは危なっかしいし、弱っちい」
「おい……」
危なかっしいはきちんと受け入れてあげよう。けどさ、弱っちいはダメでしょ。私だって早く私の周りに追いつこうとしてるんだよ。頑張ってるの! それなのに弱っちいって……けどレシアはそんな弱っちい言ってる私に負けてるんだからね。
まあさっきまでのやりとり? 聞く限り、なんかレシアは自分の力の事、あんまり把握してなさそうって事が判明してしまってるけど。そして今なら……レシアは自分の力を把握したってことでいいのかな?
「それでどうなの? レシアは有意義だったの?」
私はそんな風にレシアに聞く。するとなんかレシアが笑った。え? 何? 私変な事いった?
「その恰好、随分様になってるなって」
「確かに、玉座を使いこなしておられる」
どうやら私の座り方? がまさに王のように不遜だったと二人は言いたいようだ。確かにちょっとだらけて腕置きに肘を置いて、立てた手のひらに頬をのせて、さらには足を組んだりしてたけど……それでも私はかわいいと思うんだけど? そんなに王らしかったかな? なんか恥ずかしかったから、私はいそいそと佇まいを正した。