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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2252 前に進むためのXの問い編 627

 目の前に蛍の光がとても大きくなったような……そんな光がある。それに手を突っ込むと、空中にその光の中にある物のリストがズラッと表示された。まあつまりはこれは、僕が倒したローレの奴が持ってたアイテムや装備である。自身が装備してるのは落とす事ってないんだが……なんか錫杖はそのまま残ってるのが謎だ。インベントリ内にあの錫杖は表示されてないし……


「さて、これどうしようか?」


 実際、これが普通のPVPなら、戦利品として自分の物にするのは別に憚ることはないんだけど、そこまでしちゃったらなんか決定的にローレの奴と対立しちゃう気がしなくもない。

 だってさっきのはあれじゃん? ちょっとした冗談というか? そんなのである。けどあいつの物をこのまま持っていったら、それって友達同士としても、泥棒じゃん。流石にあれだけ言ったら戻ってきそうにないし……


「次に会うときにそのまま渡せばいいのでは? このままここに放置しておく方が問題でしょう」


 ラオウさんの言葉はもっともだ。確かにこのままここにあったら、まったく何の関係もないプレイヤーが見つけたりしたら「お、ラッキー」とかいって持っていく可能性はある。だってこの状態だと、誰でも持っていけるからね。

 実際僕はそんなアイテムとか装備とか詳しくないから、なんかレアなものがあるのかはよくわかんない。けど、あのローレの奴のインベントリである。もしかしたらとてもレアなものがある可能性は実際高い。それに……だ。この錫杖はかなりの武器であるはず。

 実際愛用の武器が残る――なんてないんだけどなぜこんなことになってるのかなぞだ。実際、このLROはプレイヤーによって使えない武器がある……とかはない。いや、その人によるけど、所謂装備できない……なんてことにはならない。装備状態とただ持ってるだけってのは実は明確に違うが、持てれば大体装備できるからな。

 でもここにあるってことはこの錫杖……


(ローレの奴はこれを装備してなかった……って事か?)


 でも僕が知ってるローレの武器ってこれである。メインといっていいというか、これがメイン武器だと僕は思ってた。それが残る? そうなると、あいつはこれを装備してなかったということに……信じられないが。


「とりあえずこのアイテムは僕が持っておきますね」

「ええ、それがいいでしょう」


 どっかの誰かにアイテムを持っていかれるよりはいいだろう。きっとローレもちょっと落ち着けば、メッセージくらいには反応するだろうし。別に反応がなくても、一方的に送っておくことはできる。

 なのでとりあえずローレの落としたアイテムは僕のインベントリへと移動させた。さて、最後はこの錫杖である。


「よっ――ん? んんんんんにゅううううううううううう!?」


 変な声を出してるのは別にぼけてるわけじゃない。僕は一生懸命、この錫杖を持ち上げようとしてるのだ。けどなんかびくともしない。え? なにこれ? 鉄の塊かなにかか?

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