2246 前に進むためのXの問い編 621
「あれれ? もどって来ちゃった! もう一回行こうスオウ!」
「いや、僕はもう……待てよ?」
僕はじっとアーシアを見る。確かに僕もアーシアも……ついでに言えばヤドリカもローレのやつのエリアから追い出された。けどさ……アーシアってそもそもが認可されてなかったのだ。そう許可をもらってなかった。エリアはそもそもがとてもプライベートな空間だ。
その場所に行くには絶対にその人物の許可が必要だ。それこそちゃんとフレンドになって、チームに入って……という手順が必要。
まあそこまでガッチガチなのはそれこそ本当にプライベート空間にしてる人だけ……なんだけどさ。
流石にチームでエリアを共有とかしてたら、もうちょっとゆるくなる。なにせエリアバトルとかしたりするときだったあるだろうし、もしかしたらフレンドのフレンドを招待をする……なんてことがあるかもしれない。
まあローレはそんな事許可してなかったが、許可してるところはあるらしいからね。
つまりはローレのエリアはチームとして大きい割にはなかなかに硬い感じのエリアなのだ。つまりはそもそもがアーシアが入れたことがおかしい。
今のは任意に多分ローレは僕たちを弾いたんだと思う。けど……さ。そもそもが許可さえなかったアーシアは入ってたわけで……そしてこのゲートの開閉の権利って僕にあるんだよね。
僕はウズウズしてるゲートを見て、そして期待の眼差しをしてるアーシアを見る。そしてこういった。
「よし、いけ!」
「うん!! おじゃましま~す!!」
そう言ってアーシアを僕はゲートの中へと送り出してみた。アーシアはなんの疑いも、そして不安もなさそうにゲートを潜る。
「…………いったか?」
「行けないのだったら、きっとすぐに出てくると思います。そうじゃないのなら……」
僕もオウラさんと同じ意見である。もしもいけないのなら姿が見えなくなってすぐに今度は向かって出てくるはずだ。まるで向こうからはその扉をくぐった勢いそのままに……ね。
その秒数は一秒と無いだろう。けどすでに何秒立った? 少なくとも五秒はたった。すでに長い。その間、アーシアは戻ってきてない。そう思ってると、なんか飛び出てくるアーシア。
「ローレちゃんに追い出されちゃった」
そういうアーシア。つまりはこれはシステム的にいけなかったんじゃなく、きっとエリアには入れたってことだろう。そしてローレ的には「なんであんた入って来れてるのよ!」ということで追い出した……ってことだと思う。
そういう事なら――
「よし、アーシアもう一回だ」
――せっかく出しもうちょっと嫌がらせしてやろう。日頃の憂さ晴らしである。