2244 前に進むためのXの問い編 619
「アーシア……お前、どうやってここ? ローレに許可をもらってたのか?」
「よくわかんないけど、通らせて――って言ったら通れたよ?」
いやいや……である。いやいやそんなわけ無いだろう。その通らせてって事は一度は多分アーシアってこのエリアのセキュリティに阻まれたんだろう
けどそれを「お願い」をして通してもらった? システムがそんな感情的な動きをするわけ無いじゃん。てかそんな動きしたら困る。
「どういう事?」
そんな声が背後からした。振り返ると、そこにはローレのやつがいた。
「なんであの子が?」
そう言ってギロッと僕を睨んでくるローレのヤツ。いやいや僕じゃないから。まるで「アンタがしたんでしょ?」的な目で見てくるなよ。僕はとりあえず首を振って犯人じゃないとアピールする。
「あんたのせいじゃないならなんで?」
「さあ。どうやらアーシアにはルールがゆるい……みたいな?」
言っててなんか恐ろしくなった。もしかしたらそれがアーシアの特徴……的な? そもそもがアーシアの存在ってよくわかってないからね。そういう力が付与されてるとしても、おかしくないのかも知れない。
「まあ別にあの子ならいっか。別に無害だし」
どうやらただ純粋なアーシアならいっか――ということらしい。良かったな。ローレと対立するのは避けたいところだからね。
「ふふ、まあこれって成功ってことでしょ?」
「そうだな。ちゃんとお前のエリアに入れてるし、成功だろ」
ゲートを作る……それはこの結果を見ても成功だろう。全く新しいゲートがここに出来た。
「よし、じゃあ次ね。そう、アンタ達そこのゲートをくぐって見て」
何やら額の側面に手をおいてそんなふうに誰かに向かっていうローレ。すると、次々とこのエリアにやってくる者たちがいた。それは今さっきローレと契約した妖精たちだ。
「うわっ!?」
「なんだここ?」
「あつい?」
「けど気持ちいいよ!」
そんな事を言ってる。まあそれはそうだろう。なにせここ、妖精たちがいたクリスタルの森とは気候がまるで違う。気温はやっぱりあそこよりもたかい。けど風も吹いてて、熱いってほどではない。でも海でも遊べるほどなんだよね。
色々と贅沢なふうにこの四国は出来てた。