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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2235 前に進むためのXの問い編 610

「うわ!? ロロロじゃん! 生きてたのかよ!?」

「うわっ! 本当だ……」

「おい、あれ……」


 ヒソヒソヒソヒソ――となにやらようやく姿を表したそこそこの数の妖精達が再開を喜んでるロロロ――一般普通妖精と呼んでた妖精を見て、なんか変な空気になってる。普通そこはピンチだった状況からの同胞との再開である。実際反応としてはロロロが正解ではないのか? なんかそんなに喜んでるようには見えない。

 だって明らかにテンションが違うんだ。ロロロはまさにようやく再開できて感激してるって感じである。でもあれが普通だろう。だってこんな種が故郷ごと危なかったのだ。そして彼女的にはなんとか帰りたかったが、その方法さえなかった。でもようやくみんなが現れてくれた。これ幸いである。けど……どうやら妖精の里から出てきた妖精たちはそうじゃないみたいだ。

 なんか様子を見てるにこんな感じである。


「うわ――あいつ生きてたよ」

「本当だ。なんであいつ戻ってきてるんだよ」

「あいつが生け贄にでもなったのかと思ってたのに……」


 ――とかそんな感じ。いや、実際本当にそんな事を妖精たちが思ってるのかはわかんない。でも……傍目にはそのくらいのテンションの違いが見て取れる……ということだ。でもどうやらロロロ……一般普通妖精はそんな空気に気づいてない。


「みんな! 無事で良かった。迎えに来てくれたんだ!! 里は無事!?」

「ロロロ……里は無事だよ。てか、いきなり外に出されたんだよ。どういう事? そいつらは? 人間……だよね?」

「里を襲った月人達は?」

「アイツラが里の外の印を壊したらこんな事になったんじゃ……ってかここは?」

「もしかして私達もみんな……ロロロと同じように?」

「じゃあここは森じゃない!?」

「そうだよね!! だってここは森じゃないし!」

「うんうん、とっても森の残滓を感じる――気がするけど、そんな事ないよね!」


 なんか妖精たちはここがクリスタルの森……とは認めたくないような……そんな感じの事を言ってる。いやわかるよ。なにせクリスタルの森は彼らの故郷である。それが……ね。それがこんな惨状なんてのは実際認めたくないのは当然だ。てか、信じられないだろう。


(なんか気になる事を言ってたやつがいたな)


 印ってヤツね。それが実はクリスタルの森には仕掛けられてて、さっきのこの一般普通妖精の発言を考えると、どうやらそれが妖精の里を隠す役割をしてた……みたいな? もしかしたら妖精の里に行くには、その森のギミック的なものを一つずつ解除とかしないとだめ……とかだったのかも。やっぱり何かのし掛けが森にあった……ということだ。

 それに気づけてたら……こんな惨状にはならなかった? いや、結局僕たちは妖精王と戦ってただろう。もしも僕たちがギミックに気づいて里に入ってたら、そこが戦闘場所になってたかも知れない。そのギミックが壊されても、見た所妖精の里が現れた……ということではなく、そこにいた妖精たちが排出された……って感じだ。

 なら下手に彼らを排出してたら、妖精王との戦闘中に、あれだけの妖精を守りながら戦う――という厄介なことになってたかも知れない。なにせ妖精王はなんか妖精を月人に食べさせようとしてたしね。さっきまでは一人だから、守るのも簡単だった。でもあれだけいると……ね。ある意味でこのタイミングで良かった……のかもしれない。

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