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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
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2222 前に進む為のxの問い編 597

「アーシア」


「スオウ!」


 僕たちは互いの手を取り合う。そして僕は左手を引き寄せてアーシアを抱き寄せる。止まってる暇はない。なにせすぐ後ろまで光は迫ってる。


 けど、流石にバランスが悪い。雷帝武装で一気に直線距離を駆け抜けてこの光から逃げる――って事は間違いなくできるはずだ。それだけのポテンシャルはある。


 てか一人なら間違いなく楽勝だし。でも……背中にヤドリカ、右側にオウラさん。そして左側にアーシアとなると……いろいろとうまくいかなくなるようだ。


 一般普通妖精? あれは小さいし、そもそもか飛んでるから重量なんてないに等しい存在だろう。カウントしないで問題ないと思う。


 取り合えず一番困った問題……それは――


「スオウ痛いよ……」


 とのことだ。なんとかある程度の出力を抑えての雷帝武装での移動なら、そこまでダメージを食らわないでくれるんだが……いや、もしかしたらオウラさんは我慢してただけかもしれない。なにせこの人、打たれ強いからね。普通にこぶしで殴ったとしたら、リアルなら彼女が何もせずに一方的に殴り続けるとしても、先にダメになるのは彼女ではなく殴ってるほうの手である。拳だね。


 まあ実際、LROにはHPがある。いや、リアルにもある思うけど、リアルのHPは確認なんてできない。だからかは知らないが、結構オウラさんは根性でどうにかしてるのかも? まあ彼女の鍛え抜かれた体が規格外なだけってこともあるとは思う。


 だからリアルでそれだけ打たれ強いオウラさんは、リアルよりも痛みってやつが抑えられてるLROで痛がるなんて……しないだろう。だからオウラさんは参考できなかった。もしかしたら僕が彼女を連れ立ってきたときから、実は痛かったのも知れないが、彼女はそれを『痛い』とは感じない女性だったのかも。


 それに実際、アーシアや一般普通妖精は痛いとか訴えてくるが、オウラさんは何も言わないからな。けどオウラさんに合わせるわけにはいかない。だってこの人、もしもHPが赤に入ったとしても、なにも言わなさそう。そしてオウラさんがHP赤になるくらいなとなると、アーシアとかたえられるはずない。


 アーシアや一般普通妖精が痛がるとなると、本気が出せない。かといって、出力を抑えての移動では光から逃れることはできない。


 うまく抑えて雷帝武装の持続時間を延ばすって方法を発見できたはいいが、今度のはさらに難易度が高い。


(痛いのも当然だよな……なにせ今僕は電気をまとってるんだから……)


 考えてみたら当然だった。静電気なんて比じゃないくらいの電気が今の僕には帯電してる。


(どうする?)


 考えろ。電気をまとってるおかげで、思考だって早くなってるはずだ。この雷帝武装の電気をまとってるのは僕なんだ。そしてアーシアたちは鎧の外にいる存在だから電気を食らってる。普通ならパーティーメンバーはダメージを受けないはずだが、どうやら雷帝武装の電気はそこをすり抜けてるらしい。そうなるとどうすればいいのか……


(一番手っ取り早いのは『僕』という存在だという風にシステムを認識させるとか?)


 祝福がある僕なら、できなくはなさそうな……そんな気がする。

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