2219 前に進むためのXの問い編 594
一斉に妖精王の放ってた鱗粉が爆発しだす。そのせいで周囲一帯が全く見えなくなった。アーシアと一般普通妖精は僕が助けてたが、他の皆はあの中にいる。
「スオウ、皆が! 大変だよ!!」
「きゃーもう帰らせてえええ! 月の力までもってるあいつに勝てるわけないんだからぁぁぁぁぁ!!」
アーシアもそうだけど、一般普通妖精がうるさい。小さいくせに声は普通の人間以上にデカい奴である。確かに何もみえないし、今も断続的に続く爆発はそこそこ高く上がってる僕らのとこまで届くくらいに強烈ではある。
でも……僕はそんなに心配してない。アーシアだってかなりの目というか? 直観? 的なものを持ってたと思うから、冷静に見ればきっと大丈夫と思えると思ったんだけど……あれか? 不安がってる一般普通妖精に引っ張られてるのかもしれない。
「とりあえず……」
すぐにでも妖精王に仕掛けてもいいが、流石にアーシアと一般普通妖精を抱えてては邪魔だ。でも……
「月人か……」
この爆発とあわせて、再び月人が沸いてる。月から送り込むって方法以外にも、どうやら妖精王は月人を召喚するスキルをもってるみたいだ。出ないと、いきなりこの場に月人が増えだしたのが説明できない。
月人をけしかける妖精王。一斉にうごきだした月人が「きしゃあああ」とか「ヴヴぁーー」とか変な声をだして走り出してる。もちろんこっちにもくる。鱗粉爆発を妖精王は止めたらしいが、爆発の余波の爆煙が残ってる。
それにその煙……普通は黒く汚い感じに映るだろう。でも妖精王の鱗粉によって爆発した煙はそうじゃない。なぜなら残った煙も虹色してるからだ。
なんかただの煙でもなさそう。実際、その煙事態にも効果があると僕の目が見破ってる。それは幻覚。どうやらあの煙自身が幻覚作用を生み出すみたいだ。中にいるローレ達は本当に大丈夫だろうか? とりあえず僕が風を生み出して吹き飛ばすのが一番だろう。
でも当然だけどこっちにも月人がくる。背中に妖精の様な羽をつけた月人が向かってくる。そして妖精王自身はどうやらローレを始末するために動くらしい。でもそうなると……
「ローレちゃんはやらせませんよ!」
「フィアチェリーゼ様、貴方と戯れられること、至上の喜びです」
なんかテンションがおかしい妖精王が気持ち悪いと思った。