2218 前に進む為のxの問い編 593
大きく背中の透明な羽を七色に光らせる妖精王。それはただの演出……ではないだろう。ただ視界を遮るって為のものではもない。
僕は視界をコードを見る方に変えて、まぶしさを無くして、コードを理解するのに務める。さっきも、あの羽は見てた。それにその粒子………でもさっきまではただの演出であってそれ以上は何もなかった。
でも………だ。今やそれだけじゃない。無害なものじゃなくなってる。てか………
「よけ――っ!?」
声を出しても遅かったし、そもそもがなんといえばいいのかを僕は迷った。だって………だ。僕以外は妖精王が放つ光にその視界を遮られてる。そうなると、避けるとかなんとか以前の問題だろう。
「大丈夫か?」
「うん! ありがとうスオウ。でも……オウラさんやヤドリカちゃんが」
僕はとりあえずアーシアと一般普通妖精だけを助けた。なぜかというと、一番ひ弱そうだったからだ。ローレもティアも自身でどうにかできるだけの力をもってるだろうし、オウラさんはこのゲームの初心者ではあるが、戦闘経験は初心者ではない。それを僕は信頼してる。
彼女は自分自身でどうにかできるという事を僕はわかってるからいいかなって……それに……だ。それにリアルよりもマシとは言っても、オウラさんは大きい。僕よりも大きい。だからね……彼女も助けたら、アーシアを助けられたか……これは優先順位の問題だ。
あとはヤドリカだけど、ヤドリカはヤドカリだけに防御力が高い、それに普通はやらないんだが、実はかなりの防御力の完全防御状態……というのがある。
まあようは宿の中に入って身を固めるってことなんだけどね。不思議なことにそれって野生のヤドリカはやらないんだよね。だからそういう事はやらないようになってるのか? とか思ったけど、なんか命令したらしてくれた。しかもそうなると、ほぼどんな攻撃も無効化するのだ。まあけどきっとだから……だと思った。だから野生のヤドリカはシステム的にそれをやらないようにされてるのかもしれない。
でもヤドリカは僕のテイムしたモンスターみたいな感じになってる。いまこのゲームで唯一のテイムモンスター。僕が祝福でいじったからできたこと。
だからヤドリカは僕の言葉を理解してくれる。だからポ〇ットモンスターのトレーナー気分ができるのだ。というわけでヤドリカも大丈夫だから、今のパーティーでひ弱さそうな二人を僕は選んで守ったというわけだ。
一般普通妖精は妖精王と同胞だから……とかいえないしね。なにせ妖精王ミレニアムは同胞である妖精を既に何人も月人の口に送ってるのだ。なら、この攻撃の対象にもきっと一般普通妖精は入ってるだろう。
妖精の耐久性って奴はわかんないが、見た目やわそうだし、それに小さいからこいつはついでだった。まあけどその判断は間違ってなかったようだ。