2217 前に進む為のxの問い編 592
「私もちょっとは月に興味ありますよ」
「本当ですか!?」
「ええ、でも契約を切ることは出来ません。なにせこれも私の意思です。そこはわかってくれますか?」
「あなたほどの人が、この人間にはこだわる必要などないと思いますが?」
「それならあなたが私と契約をしてもらえれば、私を好きにすることができますよ?」
「フィアチェリーゼ様を好きに……」
なんかその時、妖精王ミレニアムは視線がねちっこくなったような……そんな感じだった。フィアは妖精体系だから小さい。けど足とか腕とか、その全身を素早く見たような気がする。
実際妖精王となったミレニアムは僕よりも身長がある。多分180くらいはあると思う。それに対してフィアは数十センチくらいである。体格差がありすぎると思うが、まあ妖精王だってもしかしたら今の姿が仮の姿で本当の姿は数十センチくらいかもしれない。
それなら犯罪感はあんまりないが……まあけど今の僕たちの視界に映るのは大の大人が小さな妖精に恋焦がれてそうな、そんな光景だけどね。
「まあけどそれは無理です。私と契約するのは不可能でしょう」
「なぜにでしょう? あなたを開放する為なら、私はやって見せます」
とても真剣にそういう妖精王ミレニアム。僕はそんな会話を聞きつつ、普通に「妖精も精霊を契約出来たりするのか?」って思った。いや
大体契約ってバトルって実力を見せたりすればいいから、確かに強い妖精王ならできそうではある。
それに妖精王の場合は月人を使う事だって出来る。それはなかなかのアドバンテージだ。そもそもパーティー組んで挑むようなバトルだからな。それも否定はされないと思う。
だから妖精である――ということで無理でないなら、妖精王はある意味でフィアと契約は出来そうって僕は思うんだけど……当の本人であるフィアはそれは不可能と断言した。
「そんな暇はないでしょう? こうやって妖精の里にやってきたのも、月人を世界に放ってるのも、焦ってるから……の様に思いますよ」
「流石ですね。確かに私は焦ってるかもしれません。私は結局……」
そういった妖精王がわずかに視線をそらした。その時、何やら鋭くローレの奴を見た気がした。その瞬間に、僕は動いたよ。次の瞬間、どこからともなく、月人がロケットの様に吹っ飛んできてローレを襲った。その大きな口でローレを飲み込もうとしたんだ。
でもそれを僕は間に素早く入ってフラングランで一刀両断した。
「お前!?」
「素晴らしい反応だ。だが、契約者がいなくなれば、フィアチェリーゼ様は解放される」
妖精王はそういって背中の羽を大きく広げた。