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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2216/2705

2215 前に進む為のxの問い編 590

「残念……私も残念でなりません。月の力という新たな力が手に入るなのら、私は更に上へと行けるかもしれなかったのに……」


 なんかやけに大げさに身振り手振りを交えてそんなことを言ってるフィアである。僕にはなんか演技くさいな……とか思えて見えるんだが、どうやら妖精王ミレニアムにはそんなことはないらしい。


 普通に「その通りです」とかいってる。そういえばあいつって妖精の里を襲ったんだよね? それに月人に他の妖精も食わせてる。それだけ慈悲も何もない残忍で冷酷な奴のはずなのに……フィアと話してると普通の……とはちょっと違うかもしれないが、まだ普通の奴にみえはする。


 あの姿を見てると、本当にこいつが妖精の里を襲わせたかの? ってさ、ちょっと思えるんだ。だってフィアにはめっちゃ下手に出てる。見た目はフィアってまさに妖精だ。


 まあけど妖精王ミレニアムは見た目ではひいきとかはしてないってことなのかも? でも……今までであってこなかったフィアにこの入れ込みようである。


 それってちょっとおかしい。普通は……だ。普通は今まで近くにいた人に情とかは大きく湧くものじゃないか? 


「お前たち、もしかしてあいつに酷いこととかしてたんじゃないか?」


 僕はこっそりとヤドリカの背後に隠れるようにしてる一般普通妖精にいうよ。だってそれくらいしか思いつかないっていうか……実は妖精王の事を里ぐるみの村八分みたいな事をしてて、その復讐を実はミレニアムはしてる? とかなら、納得できる。


 そしてそれならミレニアムがフィアに執心するのもわかるんだ。なにせフィアは妖精の中ではなんか語り継がれるほどの奴みたいだしね。クソみたいな周りの妖精たちとは違う――そんな憧れをフィアに抱いてもおかしくない。


「そ、そんなのしてない! だってそもそもあいつは妖精王なんだからね」


 まあ確かに? 一般普通妖精のいうように、普通は自分たちの『王』になにかやれるか? となったらできない。てか権力者を敵に回すとか普通はいやだしね。


 それに普通は逆である。普通は権力者が一般人に悪政を強いるものだろう。逆に王を周りがいじめるって……そんなにないよね? もしも妖精王というのが、こんなイケメン青年じゃなく、男の子とか言えるくらいの年代なら、ある意味で周囲の傀儡になってるのかな? とか思える。でも……それはない。だってどう見ても妖精王であるミレニアムは無能とかじゃない。頭ぱっぱらぱーなやつじゃない。


 傀儡とかにはきっとなってなかっただろう。そもそもそんなものになってるなら、独自に月に行こうとかしないだろうし。ミレニアムは全ての妖精を出し抜いて、月へとたどり着いてる。それだけでこいつ頭いいし、したたかだろう。


「そういえば……あいつっていつから妖精王なんだ?」


 ちょっと僕はそれを思った。だって妖精王を競ってた……とかいってた。それって実は妖精王へとなったのはかなり最近とかない? それまでは権力なんてないわけで……かなりひどい事をしてたかもしれない。


 ペルチェルラさんってミレニアムと妖精王の地位を競ってた感じもあったし……他にもそんな奴らは里にいて、その間はかなり悪辣なことが実は妖精の間では行われるとか? ありえそう。愛らしい見た目してるのに、実は中身悪魔みたいなことってあるかもしれない。


 そんな妖精という種族を、実はミレニアムは嫌ってるとか……

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