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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2214/2701

2213 前に進むためのXの問い編 588

月の光……それが妖精王とフィアに降り注ぐ。すると……だ。なんかフィアからプスプスと白い煙が上がりだす。そして周囲に漂う焦げ臭いような……けどなんか甘い香り。この甘い香りはなにかフィアの成分が燃えてるせいだろうか? 


「フィアチェリーゼ様! そんな……貴方は……」


 何やらそんな声を出してがっかりしたように眉根を下げる妖精王。妖精王の羽は何やら月光を受けて今までよりも明らかにみずみずしく、そして妖艶な光を放ってる。それにその羽からキラキラとしたなにかも出てるし。鱗粉か何かだろうか? 変な成分じゃないよな? とか思って僕は一応目をコードを見る方にしてそれを分析する。僕は別に鑑定とかいう誰もが持ってるようなスキルもない。いやあるけど、伸ばしてない。なにせ別に必要な情報って鑑定なくても、プレイヤーなら見えるからね。


 敵のHPバーに強さの指標だってちゃんと親切にあるし、弱点だって、予めサイトで予習してればわかる。まあ完全初見で誰も見たことも出会ったこともない敵には鑑定はとても大事なんだけどね。


 けど僕には鑑定を伸ばす時間なく、激しい戦いに身を置いたし……それになんか釈福が来ちゃったからね。もう鑑定をとる……伸ばす意味がないのだ。


 なにせ……だ。なにせコードが見えれば、かなりの情報を得ることができる。それこそ、鑑定では出ない情報だって得ることができる。それこそ敵のトラップを見破るには鑑定とかじゃなく『看破』とか『罠感知』とかそこらへんが必要になってくる。


 相手が使った技、スキル、魔法……あとは必殺技かな? それらは知識があればどうにかなるものもあるが、そもそもコードがあれば、発動からして止めたりできる。さらにはあえて使わせてそれを初見で完全につぶして見せたらどうなるか。


 相手の心を折ったりできる。それらは鑑定だけではできない。もっと複合的なスキルが必要になる。でもなんと! 祝福なら全部できる。最高である。


 もちろん、それにはコードを理解する力が必要だ。コードを理解し、分解・解釈・さらには構成を知る必要がある。一筋縄ではいかない。でもコードを理解できれば、それこそ果てしない可能性が見えてくる。


 祝福はきっと、プレイヤーに与えられる最大限の自由なんだって僕は思う。なにせ、日鞠の奴なんて僕の比じゃないくらいにコードを使いこなしてる。


 なにせ僕は生みだす……ってことはできない。でも、日鞠は……テア・レス・テレスの会長はコードを駆使していろんなものを生み出してるだろう。


 それこそヴァレル・ワンなんて最たるものだと思う。あそこまでのことができるんだ。だから、妖精王のへんな鱗粉の分析だって祝福ならできる。


 けど……


(なんの意味もないんだ)


 どうやらあのキラキラしたのは、妖精の羽の演出らしい。今は……だけど。

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