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命改変プログラム  作者: 上松
第二章 世界に愛された娘
2204/2702

2203 前に進むためのXの問い編 578

「妖精王が攻めてきたのよね? 里の中には入られてないの? それとも最後の生き残りがあなたなの?」


 なんかとても残酷な事をローレの奴はさらっと言ってる。けどまあそれは気になるところだよね。だって今の状況はよくわかんない。だって妖精王は里の場所は勿論だけどわかってるだろう。それに、こんな一般普通妖精が里への道をひらく言葉を知ってるのだ。


 妖精王という立場に収まってるミレニアム? だっけ? その妖精だって当然だけどわかってるだろう。だからもしかしたらすでに里は……


(いや、それなら里の道を開くなんてしないだろ……)


 里が壊滅してたら、その場所に戻りたいって思うわけない。だって今の状況から考えるに、もしも里の中にまで妖精王が入ってたのだとしたら、それはそれは惨状といっていい事になってるはずだ。


 考えるに、妖精の里に妖精たちはきっと逃げ込んだ。そして妖精王とかに入られないために、いろんな仕掛けを閉じて、妖精たちはきっと里へと引きこもってるんだろう。


「私達はなんとか無事だったの。あいつが月人を連れてきて、いきなり襲ってきたから何人かは羽をむしり取られた。そして……そして……あいつ!」


 そういったかとおもったら、一般普通妖精の彼女は「うぷ――げえええ」となんと吐き出した。まさか妖精が吐くとは……イメージが壊れるが……まあ食べたりしてるなら、吐くこともするよね。実際妖精が何を食ってるか知らないが……でもなんか妖精のゲロは虹色だったと報告しておく。


「はぁはぁ……あいつ……羽をむしった仲間を……月人に……」


 そう言って目に涙を貯める一般普通妖精。全部はいわなかった。けど……その文末は言わなくても想像できた。つまりは……そういうことだよね。妖精は羽が命で……力の源で……そして魂そのものらしい。なら……だ。なら、羽をむしられた妖精がどうなるのか……なんて言わずもがなだ。


 妖精の死体がそのまま残るのかどうかなんてのはわかんないが、つまりはそうなってる妖精を放置なんてして供養もさせずに……妖精王はその死体さえ……冒涜した。そういうことだろう。


「それで皆にげた。里に……それであいつが入ってこれないようにしたわ。でももうダメ……だってこの森の全てを奴は握ってる。私達は追い詰められてる。ミレニアムの奴は言ったの。


『その羽根を一人ずつで良いから差し出せ。さすれば可能な限り生かしてやろう』


 ――って。私達は今、誰を生贄にするのかで揉めに揉めてるのよ」


「じゃあ里に帰らないほうが良いんじゃない?」


「うんうん、わたしたちと一緒にいようよ妖精さん!」


 ローレとアーシアがそんなコトをいう。でも実際そうだよな……って僕も思う。けど……


「なんであんたたちと一緒に居ないといけないの! 外に居たら月人に殺されちゃう!!」


「月人ならもう全部倒したわよ」


「嘘つき! あんな大量の月人倒せるわけ無いでしょ!!」


 うーん、言葉だけでは流石に信憑性が薄いらしい。

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